安くなった服、すぐ買う?疑う?
- 作業服の上下セットが、4,400円から3,400円になりました。ワークマンが8月に発表した価格です。会社は、材料の買い方を変えて原価を約3割下げ、それでいて利益は5割増えたと説明しています。
- 「安くなって、困る人がいますか」
- 「安い理由は、着ればわかります」
どっちの味方?最初の印象で選んでください。
あなたが味方した すぐ買う派 の言い分
仕事で着る服は、年に何枚も買い替えます。膝から破れて、袖口が黒ずんで、洗っても落ちなくなったら終わりです。だから売り場に入って最初に見るのは値札で、そこが下がっていれば、サイズだけ確かめて二着まとめて持っていきます。
父が小さな工務店をやっていて、家の中ではいつも、何にいくらかかったかの話をしていました。母は、高いものを買って長く使えと言う人ではなく、安いものを買って、駄目になったらまた買えばいいと言う人でした。私はその家で育ったので、服に思い入れを乗せる習慣がありません。作業服は道具です。手も汚れますし、火の粉で穴も開きます。
生地を光に透かして厚みを確かめている人を見ると、毎日その服で働いているわけではないんだろうな、と思ってしまいます。本当に毎日着る人は、どれだけ丁寧に扱っても服が駄目になることを知っています。1,000円下がった分は、そのまま私の手元に残ります。それが一番ありがたいです。
あなたが味方した 中身を確かめる派 の言い分
売り場では、まず上着のすそを指でつまみます。光に透かして、縫い目の糸の太さを見ます。値札を見るのは、そのあとです。安くなったと大きく書いてあると、かえって手が止まって、去年まで同じ棚に並んでいた物の手触りを思い出そうとします。
前に、安くなった年に買った上着が、ひと冬で肘から裂けました。買い直して、その上に防寒着を重ねて、結局は前より多く払っています。祖母が仕立ての仕事をしていて、布は値段ではなく手触りで選べと言われて育ちました。いまでも、気に入った物は売られなくなる前に、同じ物をもう一枚買い足しておきます。
安くなったと喜んでいる人を見ると、口には出しませんが、同じ物が同じまま安くなることは、そんなに起きないと思っています。どこかが薄くなるか、だれかの手間が削られるか、気に入っていた一枚が棚から消えるか、そのどれかです。私が見ているのは値段ではなく、来年も同じ物を買えるかどうかです。
どちらにも呼ばれない立場 縫っている人
届いた生地とファスナーを、そのまま縫うだけです。安いか高いかを決めるのは、私ではありません。材料が届かない日も手間賃は払ってもらえますが、同じ製品を何十万着も縫いながら、その服が店の棚でどう言われているのかは、こちらには聞こえてきません。
理由を聞いた今、もう一度選ぶ
言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。
元ネタを読む →作業服を1,000円値下げしたワークマン、儲けはなぜ5割増えたのか