10/13 13:10 更新

30万のコート、
誰が買うんだろう

――松本潤が着た、29万7,000円のトレンチ

10/12 21:49 / 発信国:日本

アクアスキュータムの客は50〜60代、そこに43歳の松本潤が呼ばれた

レナウンは10月12日、松本潤をアクアスキュータムの「トレンチコートアンバサダー」に起用したと発表した。松本が着ているのは、1930年の代表モデル「KINGSWAY」。29万7,000円(税込)だ。本誌は同じ日、この映像とコートのかっこよさを書いた。今回は、値札の側から見る。

https://aquascutum.jp/campaign/2026/junmatsumoto.html

映像は、雨の街で松本が白馬と出会う話だ。雨を作っている最中に、本物のゲリラ豪雨が降ってきた(WWDJAPAN)。ここまでが前回の話だ。

ブランドの客は、いま50〜60代

なぜ43歳なのか。答えは、半年前の記事にあった。

FASHIONSNAPは4月21日、アクアスキュータムの175周年をこう伝えている。顧客層は50〜60代。「周年企画の発信を通してより若い新規顧客の獲得を狙う」という。キーワードは「男女合同提案」と「若年層獲得」だ。

いまの客は50〜60代。そこに呼ばれたのが、1983年8月30日生まれの43歳である。1999年に嵐でCDデビューした松本潤だ(レナウンのリリース)。50〜60代の客から見れば一回り下、20代から見ればだいぶ上。ちょうど間に置ける年齢だ。

では、売る相手は男性だけなのか。そうでもないらしい。レナウンは男女合同のコンバインショップを強化している。男女を分けずに催事や店づくりを試したところ、「夫婦での購入単価の増加や、女性がメンズアイテムを買い足すなどの相乗効果が見られた」という(FASHIONSNAP)。

自社ECの売上構成比10%も、直近の目標だ(FASHIONSNAP)。29万7,000円のコートは、月に2万5,000円ずつ貯めて、ほぼ1年かかる額である。

この「レナウン」は、破産したレナウンではない

ここで、ややこしい話をひとつ。いまアクアスキュータムを売っているレナウン株式会社は、1902年創業のあのレナウンとは別の会社だ。

旧レナウンは2020年5月、子会社から民事再生法の適用を申し立てられた。負債は138億7,900万円。同じ年の11月27日に、破産手続開始の決定を受けている(東京商工リサーチ)。

アクアスキュータムは2020年9月30日、小泉グループのオッジ・インターナショナルへ移った。その会社が2024年11月2日、社名を「レナウン」に変えた(FASHIONSNAP)。名前だけが、あとから戻ってきた形だ。

破産する前の旧レナウンは2019年8月、5カ年計画を出していた。アクアスキュータムの売上を最終年度に約50%増やし、EC売上比率を3%から10%にする、という内容だった(WWDJAPAN)。

ただし、旧レナウンが言ったのは全社のEC比率、いまのレナウンが言うのは自社ECだ。数え方は違う。

それでも、7年前の計画にあった「10%」は、会社が1つ破産したあとも、いまのレナウンの目標として、そのまま残っている。

ネットの評判

ENCOUNTは10月12日の配信で、ヒゲ姿の新しいビジュアルに「イケオジ爆誕」「大人になった道明寺司」といった声が上がったと伝えている。投稿者や投稿日時は書かれていない。値段や会社に触れた声は、確かめられた出典には出ていなかった。

レナウンのリリースにも、オリコンやスポーツ報知の記事にも、松本潤本人のコメントはない。話しているのは、いまのところ会社だけだ。

29万7,000円のコートを、いまより若い客に売る。あの雨の映像に与えられた仕事は、それだろう。

出典

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