予定と連絡先、紙にも書いとく?
- 海底トンネルの工事現場で、船もクレーンも動かなくなりました。工事を請け負う会社のコンピューターが、サイバー攻撃を受けたためです。警備の入退場システムも止まり、来客は手書きで受け付けていました。
- 「紙は、止まらない」
- 「紙は、なくしたら戻らない」
どっちの味方?最初の印象で選んでください。
あなたが味方した 紙にも残す派 の言い分
毎朝、台所で手帳を開いて、その日の予定を書き写します。病院の診察券の番号、保険の連絡先、兄の携帯番号は、一枚の紙にまとめて財布に入れてあります。家族は笑いますが、私はこれを書き終えないと、一日が始まった気がしません。
こうなったのは、旅先で電池が切れた夜からです。泊まる宿の名前も、迎えに来る人の番号も、何ひとつ出てきませんでした。交番の前で、自分は何も知らない人間だと思いました。思い返せば、母は台所の壁に、近所の人の電話番号を貼っていました。あの壁の番号は、停電の日もそのまま読めました。
スマホだけで暮らしている人を見ると、よく眠れるものだと思います。便利なものに、困ったときの備えまで預けているように見えるのです。口には出しません。ただ、何かが止まった日に、困るのはこちらではないと思っています。
あなたが味方した スマホだけ派 の言い分
紙は一枚も持ち歩きません。予定はその場でスマホのカレンダーに入れ、受け取った紙は写真に撮って、帰り道で捨てます。財布は薄いままで、鞄も軽いままです。
きっかけは、実家の住所録です。母が丁寧な字で書いたその住所録を開いたら、親戚の住所が、引っ越す前のもののままでした。その古い住所へ出した年賀状は、戻ってきました。紙は書いた日から古くなっていくのに、書いた本人は、あの日の安心をずっと持ち続けます。前の職場でも、紙の名簿と画面の名簿が食い違って、私が先方へ謝りに行きました。二つ持つと、どちらが本当なのか分からなくなるのです。
手帳を見せてくる人には、本当は聞きたいことがあります。その予定、先週の変更は書き直しましたか、と。黙っていますけれど、備えているつもりで、古い紙を抱えているだけではないかと思うのです。
どちらにも呼ばれない立場 家族のだれかに任せている人
予定も番号も、自分では持っていません。困ったら、家族に聞きます。紙かスマホかで言い合える人は、どちらにしても自分で何とかできる人です。こちらは、聞ける相手がいなくなった日に、はじめて困ります。
理由を聞いた今、もう一度選ぶ
言い分は、世間の声をもとに編集部が脚色したものです。実際の発言と出典は、元ネタの記事にあります。
元ネタを読む →デンマークの海底トンネル、船を止めたのは海ではなくサイバー攻撃だった