10/13 23:45 更新

技ありでガッツポーズ
有効で一転

柔道「有効」が戻った狙いと、世界選手権で銀の新井道大

写真はイメージ Photo by ARTO SURAJ on Unsplash

10/13 22:38 / 発信国:日本

技で決着させるために足した「有効」が、世界柔道で新井道大の技ありを消した

柔道の「有効」が戻ってきたのは、選手に技で試合を決めさせるためだった。全日本柔道連盟(全柔連)の広報誌「まいんど」vol.43に、その狙いが書かれている。世界柔道選手権は、アゼルバイジャン・バクーで10月4日から11日まで行われた。その有効が、男子100キロ級決勝の勝敗を分けた。

新井道大(東海大)は、延長に入った直後に技ありを取った。だが映像の確認でそれが消え、代わりに相手に有効が付いた。銀メダルだった。新井は10月10日の日本経済新聞に「相手が強くて自分が弱かった。ただそれだけ。最後は審判が決めることなので」と話した。この判定に男子代表の鈴木桂治監督が疑問を示した話は、本誌が10月13日に伝えた。では、この点は何のために戻ってきたのか。

狙いは技で決着。抑え込みは5秒で点になる

「まいんど」vol.43は、2025-2028年の試合審判規程をこう説明している。有効は2017年にいったん無くなり、2025年2月から復活した点だ。近ごろは、技を掛け合わずに相手の「指導」を待つ試合が増え、延長のゴールデンスコアまでもつれる試合も目立っていた。そこで点の段階を増やし、選手が自分から技で勝ちを取りにいくようにした、という筋だ。

抑え込みの秒数も3段階になった。5秒で有効、10秒で技あり、20秒で一本。たった5秒、畳に押さえていれば点が入る。

ここが、ややこしい。国内の扱いは少し違う。全柔連は4月21日、こう通知している。自分たちが主催する大会以外では、設備や条件がそろわず「公平性が保てない」。だから有効をどう扱うかは、大会ごとに定めてほしい、と。

同じ規程で、日本は金7個

バクーでは、その有効が出やすくなっていた。時事通信は10月10日、「技を受ける側がうつぶせで着地しても、腹部か骨盤の左右両側が畳に付いていなければポイントと見なされる」と伝えた。偽装攻撃への指導も、早く出ていたという。

同じ記事で、全柔連の山田利彦強化委員長が話している。「この大会になって、いきなり厳しくなった」。ただ、こうも付け加えた。「投げ技をしっかりと掛ける日本の選手には、追い風になった部分もある」。日本は個人戦で金7個を取り、男女混合団体でも優勝した。

鈴木監督は10月13日、デイリースポーツに「転んでも滑っても有効は、柔道とは違った勝敗の決まり方をしてしまう」と話した。同じ意見は各国の指導者からも出ていると、この記事は伝えている。新井の決勝については、時事通信に「受け入れるしかないが、あの判定は僕はないと思っている」と話していた。

ネットの評判

鈴木監督の発言を伝えたデイリースポーツの記事は、Yahoo!ニュースにも配信された。コメントの数は、本誌が10月13日の昼に見たときの71件から、同じ日の21時台には81件になった。どんな声が多いのかは、コメントの本文を読めなかったので分からない。

全柔連のお知らせ一覧に、バクーの総括はまだ出ていない。10月13日21時台でも、いちばん新しい掲載は10月5日付だ。鈴木監督は「大会のアンケートがあるので、現場の意見として出していけたら」と話している。技で決着をつけるために足した点が、技ありを消すこともある。その判定で、新井は金メダルを逃した。

出典

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