10/16 07:00 更新

1万5000ドルの鳥が、1500万ドルになった

ブルックリンの雑貨店Art of Play

10/15 18:07 / 発信国:アメリカ / 記者:工藤

ケリー・クラークソンが買えなかった鳥、店は値段を1000倍にして売りに出した

ケリー・クラークソンが、ニューヨーク・ブルックリンの雑貨店で、歌って踊る機械仕掛けの鳥を買おうとした。その鳥にはいま、1500万ドルの値札が付いている。買えたからではない。もめたからだ。

始まりは、クラークソンのXへの投稿だった。10月11日、店の名前は出さずにこう書いた。「You’re an idiot and just lost a huge sale」(あなたはばかで、大きな売り上げを1つ失った)。店員に、買えない客として見られた、というのが彼女の言い分だ。自分でも、映画『プリティ・ウーマン』の場面に例えている。

彼女が書いた店員の言葉は、こうだ。「yes, it’s for sale but it costs 15,000 dollars so if you’d like me to find something comparable for you I can」(はい、売り物です。でも1万5000ドルします。似たものをお探ししましょうか)

店の言い分は、まるで違った。Art of Playは翌日、Mollyという名前のその鳥は壁に固定してあり、売り物ではないと説明した。店で開くマジックショーのマスコットなのだという。1万5000ドルは、Mollyを作った作家ブリス・コルブが持つ、ほぼ同じ鳥の値段。店員は、その日に持って帰れるドイツ製の歌う鳥(約2000ドル)を見せようとしたが、クラークソンは見ずに店を出た、とも話した。

クラークソンは引かなかった。「not only rude, you’re also a liar」(失礼なだけじゃなく、うそつきでもある)。値札はちゃんと出ていた、と。

ここから、話の本気度がおかしくなる。

4分50秒が、検証材料になった

ポッドキャストの司会者パブロ・トーレが、店の防犯カメラの映像を公開した。黄色いシャツに野球帽のクラークソンが、子どもたちと店内を見て回り、壁の鳥を指さし、店員と話し、出ていく。滞在は4分50秒だった。

では、どちらが本当なのか。分からない。この映像に音声はない。何を言われたのかは、結局まだ確かめられていない。

映像が出たのと前後して、店の共同経営者アダム・ルービンが、Mollyを売りに出すと発表した。値段は1500万ドル。1万5000ドルの、ちょうど1000倍である。理由はこうだ。「We’ve raised the price due to popular demand」(人気が出たので値上げしました)。

ルービンは、売れたあとの使い道まで決めている。従業員ひとりひとりに1万5000ドルのボーナス。鳥の作者に100万ドル。残りで、機械仕掛けの人形を集めた展示を店に作るという。

5分に満たない立ち寄りが、1000倍の値札と、展示の計画まで生んだ。1500万ドルで買う人が現れるかは、分からない。それでも、歌う鳥1羽のためにここまで本気で先の計画を立てる店は、やっぱり楽しい。

出典

よく読まれている記事

こちらの記事も

← 一覧へ戻る