10/13 22:50 更新

現金なら1万円、
うちの券なら1万1,500円

――ある家具店が、いらない棚を売る人に

写真はイメージ Photo by Pickawood on Unsplash

10/13 14:52 / 発信国:イギリス

英国で始まったイケアの中古家具サイトはメルカリと何が違うのか

10月7日、イケアが英国とアイルランドで、中古のイケア家具を個人どうしで売り買いできるサイトを開いた。ドイツでも10月14日に始まる。出品はタダで、同じ品を新品で買うより平均6割ほど安く買えることがあるという。

要するにメルカリの家具版だろう、と思う。でも、中をのぞくと作りがかなり違う。

自分で測らなくていい

売る人は、まず品物の写真を1枚撮る。すると画像認識が働いて、その商品の情報と正確な寸法、おすすめの値段が自動で埋まる。あとは状態についていくつか質問に答え、写真を2枚以上載せ、値段を決めて送信する。

メルカリで家具を売るなら、寸法はメジャーで測るところから始まる。写真も自分で撮る。説明文だけは、写真とカテゴリーを選べば自動で作れる。売れたら、手数料が10%かかる。大きな物は梱包・発送たのメル便を使うことになり、その送料は売った側の手取りから引かれる。棚一つ送るだけで、数千円が消える。

イケアのほうは、出品料も手数料も、いまはゼロ。買う人が払う5%の購入者保護も、2027年1月1日までは無料だ。ただし、配送の仕組みはない。売る人と買う人がチャットで待ち合わせを決め、買う人は現物を見てから受け取る。代金はイケアがいったん預かり、買う人が受け取ってから48時間で売る人に渡る。

では、品物の状態はだれが保証するのか。イケアはしない。アイルランドのニュースサイトthejournal.ieで、イケアの担当者が答えている。英国・アイルランドで環境を担当するグレッグ・ルーカス氏は、こう話した。公開前に出品の中身には目を通す。ただ、品物を一つずつ見に行くことはしない。状態は、新品同様・使用済み・かなり使用済みの3段階から売る人が申告する。マットレスと家電、食品は出せない。

ギフトカードと財布
写真はイメージ Photo by Aleksandrs Karevs on Unsplash

現金か、15%増しのイケア券か

売れた代金の受け取り方は二つある。銀行への振込か、デジタルのイケア券か。券なら、15%増える。1万円で売れたら、現金なら1万円、券なら1万1,500円。差は1,500円。ただし、その券が使えるのはイケアの中だけだ。

スペインとポルトガルでは、年末までにもう一つの試験が始まる。個人の買い手を待たず、イケア自身が「この値段で買います」と売る人に直接出す。

メルカリは、売れた金が売った人の財布に入って終わる。イケアのサイトは、売れた金がイケアに戻ってくる道を、いくつも用意している。

本当にそんなに使われているのか。先行した6か国では、2026年8月末までに9万5,700件が出品された。サイトを見に来た回数は、延べ1,500万回。使った人の4人に1人(25.5%)は、新しくIKEA Familyの会員になった人か、休んでいた会員が戻ってきた人だった。

ネットの評判

thejournal.ieの記事には、読者のコメントが8件ついている。サイトが自動でまとめた要約によると、心配は二つ。状態を正直に書かない出品者が出るのではないか。説明をちゃんと読まずに買う人も出るのではないか。ただ、イケアの家具を使い捨て同然という批判には、何年も使えていると言い返す声もある。

日本には、この個人どうしのサイトはまだ来ていない。あるのは「家具買取りサービス」のほうだ。ウェブで査定を申し込み、組み立てたままの家具を店の返品カウンターへ持ち込む。IKEA Familyの会員なら、査定額に10%上乗せされる。ただ、返ってくるのは現金ではない。イケアで使うリターンカードだ。

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