10/14 18:26 更新

266万円でも、
安い車なのだろうか

――シトロエンが2028年に売り出すという、小さなEV

写真はイメージ Photo by Andrei Popescu on Unsplash

10/14 11:58 / 発信国:フランス / 記者:工藤

EVで復活する2CVの1万5000ユーロは、日産サクラより高かった

フランスのシトロエンが、名車「2CV」を電気自動車で作り直すと発表した。10月のパリ・モーターショーで見せたコンセプトカーは、全長3.76メートル、重さは1トンを切るという。狙う値段は約1万5000ユーロ。2028年に売り出すつもりだという。

前照灯は丸いLEDで、ボンネットの脇に外付けのように付く。屋根は布で、手で巻き取る。前の席は取り外せるベンチ型。画面は8インチが1枚と、ハンドルの柱に付いた簡単な計器だけ。ペダルには、ウサギとカメの絵が描かれている。

安さは、作り方で稼ぐ。後ろのハッチは塗装の工程を通さず、黒い色を樹脂に混ぜてある。前後のバンパーは、ぶつけたら外して替えられる。電池は30kWhで、走れる距離は100マイル(約160キロ)に届かない。シトロエンのグザビエ・シャルドンCEOは、昔の車の作り直しではなく、2CVの単純さと手に入れやすさを作り直すのだと話した。

なぜ今、こんな車が出てくるのか。

EUが作った「4.2メートル以下」の枠

2025年12月、EUの欧州委員会が自動車の政策をまとめて出した。その中に、小さなEVだけの新しい区分M1Eがある。入る条件は、全長4.2メートル以下で、エンジンを積まない完全なEVであること。

見返りは大きい。この区分の車を1台売ると、会社のCO2の目標計算では1.3台分に数えるスーパークレジット。ただし、この優遇はEUの中で作った車だけ。中国で作った車は外れる。想定される値札は1万5000〜2万ユーロだ。

日本の街に止まる軽自動車
写真はイメージ Photo by Loris Boulinguez on Unsplash

この区分は、日本の軽自動車を手本にしたと言われている。軽は日本の新車販売の3分の1以上を占めてきた。ただ、枠は違う。軽は全長3.4メートル以下、排気量660cc以下。EUの枠は全長4.2メートル以下だけだ。3.76メートルの新しい2CVは、日本では軽に入らない。

ネットの評判

技術系の掲示板Hacker Newsでは、BBCの記事に10月14日までに406点と466件のコメントが付いた。目立つのは重さの話だ。1トンを切るなら、電池が小さくても走れるし、道も傷めないと歓迎する声が並ぶ。

では、本当にその値段で作れるのか。ここで声が割れる。ダチアのスプリングはもう1万2000ユーロくらいだから無茶ではない、という書き込みがあった。これに対し、今見たらスプリングは1万5500〜1万7000ユーロだ、と返す人がいた。市販まで生き残る可能性はゼロだと言い切る人も、重いSUVとぶつかったらどうなるのかと心配する人もいた。

その肝心なところは、まだ決まっていない。EUの案が正式に認められるのは2026年半ば。動き出すのは2027年初めらしい。安全の決まりは、普通の乗用車と同じものを守らせる案だ。

日産サクラは、244万8600円から

日本には、すでに軽のEVがある。日産サクラだ。2026年4月に手を入れたモデルは、いちばん安いSが244万8600円。電池は20kWhで、カタログの走行距離は最大180キロ。国の補助金58万円を使えば、約187万円から買える。

では、1万5000ユーロは日本円でいくらなのか。10月14日の仲値は1ユーロ177.49円だった。税が含まれるかは、読めた出典では確かめられなかった。そのままかけると、約266万円。EUが手の届く値段として見込んだ下限は、サクラのいちばん安いグレードより20万円以上高い。

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出典

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