10/14 00:09 更新

壁と机が画面になる電球

元Appleの技術者が公開した試作機

10/11 20:27 / 発信国:米国

壁と机を画面にする電球型コンピューター 元Apple技術者が試作機を公開、動かしていたのはMacと市販プロジェクター

2026年10月11日、技術者が集まる米国の掲示板Hacker Newsのトップページに、電球の形をしたコンピューターの試作機が載った。作ったのは、2023年から東京に住む設計者のGuillaume Ardaud氏。Appleで8年以上、Face IDやiPhoneのカメラの試作に関わった人だ。日本時間11日19時20分の時点で、投稿は422点、コメントは66件だった。

「Lightbulb Computer」という名前のこの試作機は、大きな電球の形をしている。小さな台に差して持ち歩くか、壁や天井の照明のソケットに回し入れる。できることは4つ。声を聞く、人が指さした先を見る、コンピュータービジョンで写ったものを判断する、壁や机に映す。公式サイトには、台所でレシピとタイマーを出す動画や、机に地図を広げて旅行の相談をする動画が並ぶ。

なぜ電球の形なのか。公式サイトによれば、天井なら部屋全体を見渡せて、どこへでも映せる。照明のソケットは世界のほぼどこでも共通の規格だ、とも書いている。顔にかける機械ではなく、現実の世界に情報を重ねたいのだという。

動かしているのはMacと市販のプロジェクター

では、何で動いているのか。ここが今回の新しいところだ。仕様を聞かれたArdaud氏が、Hacker Newsで自分で答えを書いた。計算をしているのはMac。プロジェクションマッピングなどのソフトは自分で書き、手の動きを読む部分はAppleの既存の仕組みを使った。映すのは市販の4Kレーザープロジェクター。目の役はウェブカメラ1台だ。電球の中にすべてが入っているわけではない。本人も、研究と設計のための試作だと書いている。

明るい部屋で、ちゃんと見えるのだろうか。映像のほとんどは夏の昼間、実際の部屋で撮ったという。例外は2人がテーブルを囲む場面だけで、これは夜、天井の明かりをつけた部屋で撮った。プロジェクターの明るさは1100 ISOルーメンしかない。それでも中身を白っぽくしておけば、文字もよく読めると本人は書いている。外の直射日光の下は別の話だ、と断りも入れた。

製品になるまでに残る壁

買えるのか。買えない。Ardaud氏は公式サイトで、今の技術で売り物になる版を作れるとは思っていない、ただ、それほど遠い話でもないと思う、と書いている。試作そのものも、かさばると認めている。

10月11日、glonceというサイトが、足りないものを並べた。誰かに使ってもらった記録も、性能を測った数字もない。声や映像をどれくらい正しく読めるのかも分からない。見せているのは段取りを決めた室内の場面で、日中の屋外や人の多い部屋の話はない。カメラをめぐる対策も同じだ、とglonceは指摘した。使うときだけ電源が入る仕組みや物理的なカバーを公式サイトは挙げているが、試作機に入った機能としては書いていない。

ネットの評判

Hacker Newsのコメント欄には、実用性とカメラをめぐる書き込みが並んだ。手や家具の影が映像を隠さないか。家の中に機械が居続けて、ずっと見て聞いている状態になるのが嫌だ、という声もあった。Ardaud氏は、MetaやAmazonが作る版より、手元で処理してソースも公開された版に興味があると答えている。

壁と机を画面にしていたのは、Mac1台と1100 ISOルーメンのプロジェクター、ウェブカメラ1台だった。

出典

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