コロナ前より売れている
青森ねぶた祭、2026年の人出と収支の話
青森ねぶた祭の人出が285万人から100万人に でも、客は消えていない
2026年の青森ねぶた祭の人出は、約100万人だった。青森ねぶた祭実行委員会が10月8日に発表した(東奥日報 2026年10月9日、ATV青森テレビ 10月12日)。2025年より1万人ほど少ない。日ごとでは、大型ねぶた23台がそろって夜に動いた最終日の6日が最も多く、23万人。初日で、唯一の休日だった2日が、22万5000人だった。
では、昔はどうだったのか。コロナ前の2019年は285万人。2018年も280万人を超えていた。2020年と2021年は中止で、2022年に3年ぶりに開かれた。その2022年が105万人、2023年が101万人、2024年が105万人、2025年が101万人、そして2026年が約100万人だ。
285万人が100万人。3分の1近くまで落ちている。客がどこかへ消えたのだろうか。
2023年から、数え方が変わった
答えは、数え方だった。
2022年までの人出は、目で数えた推計だった。祭りの前に市内の観光施設の来場者を数え、祭りの最中は沿道の人を目で数える。その2つをもとに出していた(マイナビニュース 2025年3月21日)。
スポンサーへの説明にも人出の数字を使うため、数字は下げにくかったという。佐藤健一実行委員長は、マイナビニュースの取材にこう話している。「『前年よりも人手が減っている』というネガティブな数字を出しづらく、『前年比○%アップ』といった、根拠にとぼしい数字が続いてしまいました」(「人手」は原文ママ)
変わったのは2023年。投光器を付けた台車にカメラ2台を載せて沿道を撮り、写った人をAIが数えた。2024年からは、スマートフォンのGPSの位置情報を使う人流分析だ。運行ルートとその周りを、測る範囲に決めて集計している。つまり、285万人と100万人は、ものさしが違う。引き算してはいけない数字だ。
では、2026年が1万人減ったのはなぜか。これは分からない。ATV青森テレビも東奥日報も、理由は書いていない。
年ごとに比べられるのは、席の数
それでも、比べられる数字はある。有料観覧席の販売席数だ。売れた席数は、数え方で揺れない。
2022年は4万3820席で、2019年より約9000席少なかった。ここから計算すると、2019年は5万3000席ほど。2023年は約5万4000席が売れた。そして2026年は5万9336席で、2025年より1000席ほど増えた。コロナ前より6000席あまり多い。
この席が売れたおかげで、2026年度の収支決算は1222万円の黒字になりそうだ。黒字は4年連続。2022年度は968万円の赤字で、団体客のキャンセルが響いたという。
人出と収支を発表した10月8日の会議では、2027年の制作小屋を新しい仮設にすることも決まった。常設化は運行団体が求めているが、実行委員会は費用負担などを中長期の課題として「可能性を模索していく」とした(朝日新聞 2026年10月10日)。10月13日には、青森商工会議所の「青森ねぶた特別委員会」が初会合を開いた(ATV青森テレビ 2026年10月13日)。
ネットの評判
このニュースはYahoo!ニュースにも載り、10月13日の時点でコメントが10件付いた。目立つのは、100万人を疑う声だ。歩道の幅とコースの長さから計算すると多すぎる、という書き込みがある。一方で、青森で100万人ならすごい、という受け取りもあった。ネットの声は、数字の根拠にはならない。
年ごとに並べて比べられるのは、人出ではない。売れた有料観覧席の数だ。2026年は5万9336席だった。
- 2026年の「青森ねぶた祭」人出は約100万人で去年より1万減 夜間運行最終日の6日は23万人 有料観覧席の販売は去年上回り5万9000席と好調 祭実行委員会は1222万円の黒字見込み(ATV青森テレビ、2026年10月12日20時配信)
- ねぶた人出100万人 前年度比1万人減(東奥日報、2026年10月9日。実行委員会は10月8日に発表)
- Yahoo!ニュースのコメント欄(2026年10月13日に確認。10件)
- 青森県の「青森ねぶた祭」の正確な人手を把握せよ! 取り組みの背景を聞く(マイナビニュース、2025年3月21日。佐藤健一実行委員長の発言、数え方の変遷)
- 青森ねぶた祭の人出101万人 前年比4万人減、大阪万博など影響(日本経済新聞、2025年10月15日)
- 青森ねぶた祭に105万人 3年ぶり、コロナ前より6割減少(日本経済新聞、2022年8月8日。2019年は285万人)
- 青森ねぶた祭、4年ぶり黒字に 有料観覧席の販売好調(日本経済新聞、2023年10月6日。約5万4000席、観覧席収入1億8159万円、1424万円の黒字)
- 青森ねぶた祭、968万円の赤字 団体客キャンセル響く(日本経済新聞、2022年12月14日。4万3820席、2019年より約9000席少ない)
- 青森ねぶた祭、戦後初の中止 新型コロナで(日本経済新聞、2020年4月8日)
- 東北夏祭り、2019年の客数が震災前を上回る(トラベルボイス、2019年12月31日。日本銀行青森支店ほか調べ、285万人)
- 青森ねぶた祭、新たな仮設小屋整備へ 常設は「可能性を模索」(朝日新聞、2026年10月10日)
- 仮設の新たな「ねぶた小屋」イメージ公開(東奥日報、2026年10月9日)
- 青森ねぶた祭の継承に向けて「青森ねぶた特別委員会」がまつりの今後について検討 2027年9月の提言書取りまとめ目指す(ATV青森テレビ、2026年10月13日)
- 青森ねぶた祭 オフィシャルサイト(2026年10月13日に確認。人出・収支の発表の掲載はなし)
- 2026.8.2 青森ねぶた祭 ダイジェスト ~青森市役所ねぶた~【青森市公式】(YouTube。タイトルのみ確認)
- 2026年の青森ねぶた祭、人出約100万人(TBS NEWS DIG。この環境から開けず)
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