10/14 18:26 更新

キルト1枚に、子ども服25〜80着

シンガポール、自宅で縫う4児の母の目安

10/12 15:37 / 発信国:シンガポール

子どもの古着を縫い直す商売で一番売れたのは服を一番使わないクマだった

シンガポールのSiti Nur’ain Awariさん(37)は、子どもが着られなくなった服を、クマのぬいぐるみやキルトに縫い直す仕事をしている。シンガポールのCNAによると、使う服の数には目安がある。キルトは大きさによって25〜80着。ぬいぐるみなら9〜12着で足りる。思い出に、換算表があった。ところが、売れ筋は、服をほとんど使わない品だった。

4人の子の母で、仕事場は自宅だ。2020年、コロナ禍で事務の仕事を失った。自分の服を縫うのは10代からの習慣だ。きっかけは2024年の初め。いとこから娘の赤ちゃん服が30着届き、キルトにしてほしいと頼まれた。すぐには切れなかった。何か月も調べ、練習を重ねてから、ようやくはさみを入れた。どれも1着しかない品だ。「失敗はできない」とNur’ainさんは話す。

屋号はPatchwork Handmade Keepsakes。ぬいぐるみはウサギやライオン、サイなど8種類。値段はクマがシンガポールドル85ドルから、キルトは120ドルから。待ち時間はぬいぐるみが6〜8週、キルトが8〜12週。受けるのは1か月に25件まで。子どもが寝ている時間に縫うからだという。

一番売れるのは、服を一番使わないクマ

では、その売れ筋は何か。制服のクマだ。学校の制服1〜2組で作る「スクールベア」で、使う服の数は、ほかのどの品よりも少ない。これは思いがけない売れ筋だったという。なぜ売れるのかは、CNAも説明していない。

日本でも、似た形を見た。ランドセルリメイクを手がける鞄工房山本によると、一番人気はミニチュアではなくパスケースだ。注文した客に聞くと、理由は「生活の中で実際に使える実用的なアイテム」だという。土屋鞄のミニチュアランドセルは29,000円で、製作期間は最長1年2か月。高さ約15.5センチのランドセルが届くまでに、学年が1つ上がる。

思い出を小さく残す商売で選ばれるのは、豪華な方ではなく、手の届く方らしい。

重い依頼もある。2年前には、大きな袋3つに子ども服が200着あまり届いた。病気だった7歳ほどの子どもと、その父と母に、大きなキルトを1枚ずつという注文だった。服に手を触れられないまま1週間が過ぎた、とNur’ainさんは話している。園児22人の服を1枚のキルトにまとめ、病気の先生に渡したいという依頼もあった。

最後に、本人の販売サイトにある小さな注意書き。クマの目はボタンなので、3歳未満の子が大人の見ていないところで遊ぶのには向かない。赤ちゃんの服でできたクマは、その赤ちゃんには、まだ少し早い。

出典

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