10/14 00:09 更新

1技目で、減点
でも、金!

――金メダルになった演技の、出だしに

10/13 23:38 / 発信国:日本

1技目で減点された体操の杉原愛子が、そのまま金メダルを取ってしまった

体操の杉原愛子(27)が、9月25日、愛知・名古屋アジア大会の女子種目別床運動を14.033点で制した。3日前の個人総合に続く、2つ目の金メダルだ。どちらも日本勢初の金だった。

ただ、その演技は1技目の減点から始まっている。

中日新聞によると、杉原は冒頭の後方伸身2回宙返りで、着地のときにラインオーバーをした。0.1点の減点。1本勝負の決勝で、出だしからのマイナスだ。

普通なら、ここで気持ちが切れそうだ。杉原はそうならなかった。「落ち着いていて、ゾーンに入っていた」と話している。そのあとの連続技は着地までぶれずに決め、2日前には認定されなかった技も決めきった(中日新聞)。銀メダルは16歳の西山実沙で13.900点だった。

3日前も、ミスしてから勝っていた

個人総合のほうが、崩れ方は派手だった。

スポーツ報知によると、3種目目の床で、杉原はラインオーバーを2度やった。点数は13.700点どまりで、順位も一時2位に下がった。残りは最終種目の跳馬、1本だけ。

ここで杉原はユルチェンコ2回ひねりで14.100点を出し、ひっくり返した。合計55.599点。2位は中国の柯沁沁(16)で55.199点だった(THE ANSWER)。

中国はこの種目を13大会続けて勝っていた。中国紙「羊城晩報」は、中国の体操チームが1974年にアジア大会に出て以来、初めて女子の個人総合で金を逃したと書いた(THE ANSWER)。

どちらの金も、ミスのあとで取っている。

五輪のメダリストは、7人だけ

スポーツ情報サイトSPAIAによると、日本の女子体操が五輪でメダルを取ったのは、2つの大会だけだ。1964年の東京大会の団体銅と、2021年の東京大会で村上茉愛が床で取った銅。人数では、団体の6人と村上で計7人。村上の銅は57年ぶりで、女子の個人種目では日本初だった。

2024年のパリ大会は、五輪が初めての10代4人で臨み、8位だった(日本経済新聞)。

では、杉原は何が違ったのか。

杉原自身も2021年の東京大会に出ている。その五輪のあとに第一線を退き、離れている間に指導者や審判員などを経験した(中日新聞)。2022年に引退し、2023年に復帰している(東スポWEB)。点をつける側をやった人が、点をつけられる側に戻ってきた。

杉原は東スポWEBに「運動の構造を考えるようになった。基礎の部分だったり、体づくりのトレーニングとか考えてやっている」と話している。

ネットの評判

杉原のインスタグラムには、ファンから「めちゃくちゃ感動した」というコメントが並んだ(中日スポーツ)。

中国側の見方は、少し違う。中国のSNS「微博」には「難度の高い技を次々と打ち出すわけではないけれど、完成度や安定を感じさせる演技だった」という声が出た(THE ANSWER)。負けた側のほうが、杉原の勝ち方を正確に見ている気がする。

9月23日の女子団体総合は、日本が165.362点で2位。14連覇の中国に1.100点届かず、2大会連続の銀だった(THE DIGEST)。杉原は最終演技のあとに涙を流し、「みんなの応援で決め切れた部分のうれしさもあるけど、この演技じゃ金メダルが取れなかったという悔しさの両方があった」と話した(東スポWEB)。

その2日後。1技目で0.1点を引かれて始まった演技が、日本勢が一度も取れていなかった床運動の金メダルになった。

出典

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