10/14 00:09 更新

3Dプリンター、
買ったのに活かせていない

――買った本人が、自分のブログに

写真はイメージ Photo by CHUTTERSNAP on Unsplash

10/12 19:34 / 発信国:日本

3Dプリンターを2年活かせなかった原因は印刷ではなくCADだった

3Dプリンターを買って2年以上、ほとんど活かせないままだった。止めていたのは印刷ではなく、形のデータを作るほうだった。ブログ「Write and Run」のKOBA789さんが、10月11日にそう書いている。

機種はBambu Lab A1 mini。買ったのは2年以上前だ。買った直後は、3Dモデルが集まるサイトMakerWorldにある小物を印刷し、その後も半年おきくらいに手遊びのおもちゃを刷っていた。それ以上には進まなかった。本人の言葉は、こうだ。「3D CAD が苦手だ。」

つまずいていたのは3D CADのほうだった。「そもそも macOS で快適に動く CAD が少ないという事情もある」とも書いている。

人が作ったデータを落として印刷するところまでは、できていた。止まるのは、自分の家の物に合わせて作る段だった。

言葉と写真で、形を伝えた

変わったきっかけは、同僚の一言だった。「3D モデリングもいけそうだぞということを同僚から聞いた」と書いている。数か月前の、文章を扱うAIは「解剖学的右手と鏡に映った右手の位置関係」すら分からなかった、とも。右手と、鏡に映った右手。それを間違える相手に、立体は頼めない。

金属の定規を物に当てて寸法を測る様子
写真はイメージ Photo by Blaz Erzetic on Unsplash

では、CADを使わずにどうやって形を作るのか。作りたい物の形と置き方を、言葉でClaudeに説明する。寸法が分からない物は、「アルミスケールをあてがった状態の写真を何枚も撮って Claude に渡す」。金属の定規を物に当てて、何枚も撮るわけだ。

精度はどのくらい出るのか。本人は「慎重にやっても精度は 1mm くらいしか出ない」と書いている。印刷に至るまで、2〜3回のリテイク(やり直し)が必要なことが多いという。一発では決まらない。

造形中の3Dプリンター
写真はイメージ Photo by Osman Talha Dikyar on Unsplash

作ったのは、ニトリのパンチングボードに差すフックだ。同じような板はIKEAにもあり、そちらの「SKÅDIS」向けのデータはMakerWorldにたくさんある。ニトリ向けは少ない。それを知らずに買ってしまい、「SKÅDIS であれば MakerWorld に便利なモデルがたくさんあるのに、と2年前はとても後悔したものである」と振り返っている。

ネットの評判

はてなブックマークは、12日時点で153件。あるユーザーは、同じやり方を最近使うことが増えたとしたうえで「自分用のちょっとしたものが作りたいだけでCADの練習がしたいわけではないんだよな」と書いた。別のユーザーは「何の3D CAD使えば良いか書いてないやん」と指摘し、コードから形を出すOpenSCADを勧めている。部品の寸法取りは平面スキャナと型取りゲージでやっている、という声もあった。

冷ややかな声もある。A1 miniを買ったうえで「3Dプリンターはまだ家電の域ではないと思う。フィラメントの管理が面倒すぎる」と書いた人がいた。CADの壁が取れても、材料の世話は残る。

データは、GitHubに置いてある

成果は、GitHubのKOBA789/pegboardで公開されている。build123dで書いたPythonのコードと、そこから作ったSTLとSTEPが入っている。合わせる寸法は、穴の直径6mm、穴と穴の間隔25mm、板の厚さ5.5mm。

中身は4つ。ThinkPadのTrackPointキーボードを掛けるもの、SwitchBotの温湿度計を立てるポケット、iPad Pro 11を横向きに置くレール、ボードと支柱のあいだに挟むスペーサー板。A1 miniの180mm角のベッドに収まる向きで置いてあるので、印刷用のソフトにそのまま読み込める。

リポジトリの説明には、ここに置いたデータはすべてClaudeが作ったもので、Opus 5.5の空間認識を測る試しも兼ねている、とある。ライセンスはMITライセンスで、出来上がったSTLとSTEPにも同じ条件がかかる。

結びは、こうだ。「というわけで Opus 5.5 と Bambu A1 mini の組み合わせ、おすすめです。」

ただ、だれでもそのまま使えるわけではない。自分の家の物に合わせて作ったので、そのままでは他の家では使えないかもしれない、と本人は書いている。使い回せるのは、同じボードを持っていて、自分で寸法の数字を直せる人だ。CADが描けなくても物は作れたが、人の作った物を借りるほうには、まだ数字をいじる手が要る。

出典

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