10/13 23:45 更新

日本産のAIが無料解放
モデルは6つ

――トークン量は日本語がお得

写真はイメージ Photo by Vandan Patel on Unsplash

10/13 20:15 / 発信国:日本

国産AI「Sarashina」が無料開放 海外のAIと違うのは、この3か所

10月13日、ソフトバンク子会社のSB Intuitionsが、国産の生成AI「Sarashina」を無料で開放した。Googleアカウントでログインすれば、申し込みなしで誰でも使える。これまでは法人向けのAPIが中心で、今回はチャットで日本語の対話や翻訳も試せる。

名前は「Sarashinaサービス」の無償ベータ版。配られたモデルは6つ。文章を作る mini、単純な作業を速くこなす nano、検索に使う embedding と rerank、安全性を判定する guard、日英を訳す translate だ。無料だがレート制限はあり、いつまで無料かは決まっていない。

で、海外のAIと何が違うのか。資料をたどると、日本らしさが具体的に出ている場所が3つあった。

日本らしさは、まずトークンの数に出る

AIは日本語をそのまま読まない。文章をトークンという細かい単位に割る。この割り方を決めるのがトークナイザだ。

東京の地下鉄の駅名表示
写真はイメージ Photo by BREAKIFY on Unsplash

SB Intuitionsの技術ブログに、日本語版ウィキペディアの約19億文字を割った結果が出ている。GPT-5は約14億トークン、Sarashina3は約9.5億トークン。GPT-5と比べて「4.5億もトークン数を節約できました」とある。「東京メトロ」「山手線」が1トークンにまとまる例も載っている。

ここが財布に効く。APIの料金は、やりとりしたトークンの数で決まる。日本らしさの1つめは、文章の味わいではなく請求書の桁だった。

あとの2つは、止め方と、根拠の出し方

2つめは、何を止めるかだ。6つのうち「Sarashina3 guard」は、入れたテキストが安全かどうかを判定するだけのモデル。答えを作るAIと、止めるAIが別々に配られている。SB Intuitionsは2026年2月18日から、国の研究機関の情報通信研究機構(NICT)とアライメントやガードレールの共同研究を始めた。発表文には、国内では「日本の法制度や倫理観に基づいた『信頼できるAI』への期待が高ま」っているとある。

3つめは、答えに根拠を付けることだ。ソフトバンクは2026年6月から、静岡県藤枝市の市役所を実証の場にしている。市役所の窓口業務で使う。評価するのは「回答品質や根拠提示、安全性」。市の田中氏は「生成AIが法的な根拠やマニュアルを示してアシストすることで、必要な情報にたどり着きやすくなれば」サービス向上につながると話した。窓口の職員は、どの条文に書いてあるかを示せないと、仕事にならない。

ネットの評判

公開の日、ネットは静かだった。この話を伝えたImpress WatchとITmedia NEWSの記事は、はてなブックマークがどちらも3件、コメントは0件。

目立ったのは、技術情報サイトQiitaに同じ日に出た開発者の記録だ。6つのモデルを全部つないで、miniは1分に6回までという制限を挙げ、「miniで100件のプロンプトを評価するのに17分ほどかかります」と書いた。それでも「申し込みなしで6モデルがそろう点が便利です」とも書いている。

で、無料の代金は何か。法人向けの「Sarashina API」の案内には「入力データや応答結果はAIの再学習には利用されません」と書いてある。今回の無償ベータ版は、そこが違う。発表文には「AIモデルおよびサービスの品質向上・改善を目的として、ユーザーの利用データを活用する場合があります」とある。

無料で試す人の入力は、学習に使われることがある。法人向けのAPIでは使われない。同じ国産AIでも、入口でデータの扱いが逆になっている。

出典

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