10/9 17:49 更新

車が2時間止まり、犬が3,217匹超

パリ・シャンゼリゼ通り、10月4日

写真はイメージ Photo by atelierbyvineeth ... on Unsplash

10/9 10:59 / 発信国:フランス

参加費ゼロ、歩くのは1.4キロ ダックスフント行進が保護犬支援になる仕組み

2026年10月4日の午前11時、パリのシャンゼリゼ通りから車が消えた。通りを2時間譲られたのは、足の短い犬だった。ダックスフントと飼い主が通りを下り、出発点まで引き返す。歩く距離は1.4キロ。催しの名前は「Paris Sausage Walk」。7回目で、シャンゼリゼを歩くのは初めてだった。

参加費はいらない。ダックスフントを飼っていない人も歩ける。主催者が頼んだのは、何人来そうかを見積もるための回答フォームだけだ。それでもこの行進は、集まったお金が全額、1つの団体に渡る慈善イベントとして開かれている。お金を取らないのに、どうやって支援になるのか。

受け取るのは「テッケル・サン・ドゥ・フォワイエ」という保護団体だ。捨てられたり、ひどい扱いを受けたりしたテッケルを、飼い主や施設から引き受ける。手当てと不妊手術をして、合う家庭を探す。2007年10月にでき、19年で1,823匹を見てきたという。収入は、年会費(個人30ユーロ、夫婦や団体は50ユーロ)、寄付、グッズの売り上げ、そしてこの行進だ。当日は会場でも支援を受け付けると案内していた。入り口で取らず、来た人に自分から出してもらう。それが、無料でも支援になる仕組みだ。

名前の3文字

団体は自分たちを「テッケルSDF」と略している。Sans Doux Foyer、「やさしい家がない」の頭文字だ。フランスでSDFは、住む家が決まっていない人を指す略語でもある。家のない犬を預かる団体が、同じ3文字を名乗っている。狙ったのかどうかは、公式サイトには書かれていない。

では、この行進でいくら集まったのか。それは公表されていない。伸びているのは、匹数のほうだ。2018年の1回目は137匹。2025年は2,554匹まで増え、それまで使っていたセーヌ川の河岸には収まらなくなった。そこで今年は通りの「シャンゼリゼ委員会」と組み、車を止めた。創設者のヴィルジニー・シドさんは、ダックスフント好きを集めて団体の犬を支えるのが目的だと話している。終わったあと、シドさんは3,217匹を超えたと発表した。運営に入ったボランティアは106人だという。

10月4日は世界動物の日だ。フランスでは2025年、犬と猫が28万1,000〜39万8,000匹捨てられたと推計されている(OCADの推計、2026年6月公表)。団体が19年で見た1,823匹は、1年あたり96匹。全国の推計の、3千分の1から4千分の1ほどだ。その96匹のために、シャンゼリゼから車が消えた。犬が歩いたのは1.4キロ。行進の映像はAFPが配信し、ニュースサイトにも載った。参加費ゼロの散歩としては、上出来である。

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