10/9 17:49 更新

ゲームだって、
体力を使う

――その消費、1分あたり2.5kcal

写真はイメージ Photo by Axville on Unsplash

10/7 20:02 / 発信国:チェコ

心拍137、消費は1分2.5kcal eスポーツ選手が走る理由

チェコのマサリク大学などの研究チームが、ゲーム中のeスポーツ選手がどれだけエネルギーを使うかを調べた。これまでの研究5本をまとめた系統的レビューで、2026年7月8日に雑誌「Sports Medicine – Open」に載った。結論は、安静に座っているときより消費は増えるが、運動の代わりにはならない、というものだ。ITmedia NEWSが10月7日に紹介している。

安静時の心拍は、およそ1分85回。それがゲーム開始から10分で137回まで上がった。ところが1分あたりの消費カロリーは1.3〜2.5kcal。安静時から増えても、最大で4割どまりだった。

心拍だけが跳ね上がった

なぜ、心拍はそこまで上がるのに、カロリーは増えないのか。

心拍を測る腕時計型の機器
写真はイメージ Photo by Nik on Unsplash

論文の説明は、競技のプレッシャーと、強い集中や感情の動きだ。これで交感神経が反応し、心拍とストレスの指標が上がる。わずかに体を動かすだけでも強いストレス反応は起きる、と論文は書いている。つまり心拍の高さは、体を動かした量とは別の話なのだ。

対象の研究が調べていたのは、「League of Legends」や「Counter-Strike: Global Offensive」など。選手はアマチュアもプロもいた。プロのほうが、消費も体の反応も大きい。ただ、ひとまとめにすれば軽い身体活動と同じ水準だ。測り方は研究ごとに違うので、腕前の差はまだ言い切れないという。

ここまでは、たぶん想像どおりだろう。

1日10時間座って、4割は運動ゼロ

では、座ったままの競技で、選手が走る意味はどこにあるのか。理由は二つある。

一つは、体がもたないからだ。2019年に「BMJ Open Sport & Exercise Medicine」に載った調査が、米国の8大学のeスポーツ選手65人に聞いている。大会前の練習は1日5.5〜10時間。目の疲れを訴えた人が56%、首と腰の痛みが42%、手首は36%、手は32%。そして40%は、運動をまったくしていなかった。不調があっても、医療機関にかかったのは2%だけだ。

1日10時間、座ったまま小さな筋肉ばかり使う。そうなるのも、分かる気がする。調査は、医師や理学療法士が選手を支える仕組みを提案している。

44.7ミリ秒、速くなった

もう一つは、動いたほうが強くなるらしいからだ。

ジムに置かれた固定自転車
写真はイメージ Photo by James Li on Unsplash

2025年12月、同じ雑誌に、一人称視点の射撃ゲーム(FPS)をやる18〜29歳83人を6週間追った試験が載った。コンピューターで無作為に二組へ分け、片方に週3回のHIITをさせている。やり方は、トレッドミルか屋外で、走るか速歩き。反応時間は548.50ミリ秒から503.83ミリ秒へ。差は44.7ミリ秒。射撃の命中率も、88.30%から91.80%に上がった。

1回の運動でも効いた、という報告もある。筑波大学の松井崇が2022年にまとめた解説によると、カナダのマクギル大学のde las Herasら(2020年)の研究では、15分の高強度の運動のあとに「League of Legends」を20分プレーさせた。安静のあとは倒した敵が111.4、運動のあとは121.2。ミスは2.4から1.4に。なぜか。松井は、運動で前頭前野が活発になるからではないか、と書く。ゲーム中の判断を受け持つ場所だ。

ゲームで増える消費は、4割どまり。それでも、6週間走ったゲーマーは、反応が44.7ミリ秒速くなった。

出典

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