10/9 17:49 更新

もう……いいかな……
と思って、全曲を非公開に

――十数年続けた、ある曲の作り手が

写真はイメージ Photo by Dan Farrell on Unsplash

10/7 14:53 / 発信国:日本

KAITO名義の衝突で、ボカロPがニコニコ動画の自作曲をすべて非公開に

ボーカロイドで曲を作る「ボカロP」のまえぴーが、ニコニコ動画の自作曲を非公開にした。KAITOの曲も、ほかのボーカロイドの曲も、全部である。10月5日までにX(旧ツイッター)で明らかにし、「十数年の御愛顧ありがとうございました」と書き添えた。発端は、King & Princeの髙橋海人が「KAITO」名義でソロ活動を始めたあとのファン同士の言い争いだった。

理由は「双方のファン同士の不毛な叩き合い」

まえぴーは「理由があっての事ですが、やはり此処ではあまり詳しくは申し上げません」と前置きし、ファンの投稿に答える形でこう書いた。「何方かと言いますと、フォロワーの双方のファン同士の不毛な叩き合いを目の当たりにしてしまい、”もう……いいかな……”と思い、萎えてしまって非公開にしてしまった。が近いかなぁという感覚です」。続けて「もっと静かな所で創作や編集などを、好きな様にしたいので……」とつづった。

話が思いのほか広まったあと、まえぴーはもう一つ書き足している。「今回の判断は、髙橋海人さんやKAITOそのものを批判する意図によるものではありません」。活動の規模は今回の判断と関わりがなく、誰かと価値を競う話でもない、とも書いている。

批判の相手として名前が挙がったのは、髙橋海人でもクリプトン・フューチャー・メディアでもない。挙がったのは「双方のファン同士の不毛な叩き合い」だけだった。

名前が重なった経緯

髙橋海人がソロ名義を発表したのは10月3日。1stデジタルシングル「swim?」の配信は10月5日0時だった。もう一方のKAITOは、2006年2月17日発売の歌声ソフトである。男性の歌声としては、世界で初めて日本語に対応した。名前が同じなので、「#KAITO」のタグには双方の投稿が並ぶ。曲を探すときにも知らせるときにも、このタグを使ってきた側には差し障りが出た。

録音用マイクのある部屋
写真はイメージ Photo by Will Francis – AI & Marketing on Unsplash

開発元のクリプトンは10月5日、公式Xで見解を示した。両方の話が入り混じる状態は今後も起こりうるとしたうえで、「互いを認め合える、優しいコミュニティであり続けられるよう見守っていただけますと幸いです」と呼びかけた。この見解に、名前を変えるよう求める文や、権利を侵されたという指摘はない。まえぴーが曲を非公開にしたのも、同じ10月5日までのことである。

ネットの評判

Yahoo!リアルタイム検索のまとめ(10月6日)では、どちらがタグを変えるべきかという議論が続いていた。「タグが被っていることで、正直名前が被ってるだけならここまで問題にならなかった」との投稿が引かれている。一方で「ボカロのKAITOなんて知名度低いんだからそっちが配慮しろよ」という書き込みが、受け止めをさらに悪くしたとされる。これに対し「知名度云々で言うなら海外ではボカロのKAITOが圧勝だろうしな」と返す声もあった。

スマートフォンの画面を見る手元
写真はイメージ Photo by Jonas Leupe on Unsplash

騒ぎが検索の上位から離れるのは早かった。同検索の「話題のキーワード」では、10月7日午前10時すぎに「KAITO騒動」が7位にあったが、同日午後には上位20件から消えた。一方、曲を公開に戻すかどうかは、確認できた投稿には書かれていない。戻したと伝える情報も、本稿の確認時点では見つからなかった。残っているのは「もっと静かな所で創作や編集などを、好きな様にしたいので……」の一文である。やめたのは曲の公開であって、創作ではない。

出典

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