日本産のAIが無料解放
モデルは6つ
――トークン量は日本語がお得
写真はイメージ Photo by Vandan Patel on Unsplash
国産AI「Sarashina」が無料開放 海外のAIと違うのは、この3か所
10月13日、ソフトバンク子会社のSB Intuitionsが、国産の生成AI「Sarashina」を無料で開放した。Googleアカウントでログインすれば、申し込みなしで誰でも使える。これまでは法人向けのAPIが中心で、今回はチャットで日本語の対話や翻訳も試せる。
名前は「Sarashinaサービス」の無償ベータ版。配られたモデルは6つ。文章を作る mini、単純な作業を速くこなす nano、検索に使う embedding と rerank、安全性を判定する guard、日英を訳す translate だ。無料だがレート制限はあり、いつまで無料かは決まっていない。
で、海外のAIと何が違うのか。資料をたどると、日本らしさが具体的に出ている場所が3つあった。
日本らしさは、まずトークンの数に出る
AIは日本語をそのまま読まない。文章をトークンという細かい単位に割る。この割り方を決めるのがトークナイザだ。
SB Intuitionsの技術ブログに、日本語版ウィキペディアの約19億文字を割った結果が出ている。GPT-5は約14億トークン、Sarashina3は約9.5億トークン。GPT-5と比べて「4.5億もトークン数を節約できました」とある。「東京メトロ」「山手線」が1トークンにまとまる例も載っている。
ここが財布に効く。APIの料金は、やりとりしたトークンの数で決まる。日本らしさの1つめは、文章の味わいではなく請求書の桁だった。
あとの2つは、止め方と、根拠の出し方
2つめは、何を止めるかだ。6つのうち「Sarashina3 guard」は、入れたテキストが安全かどうかを判定するだけのモデル。答えを作るAIと、止めるAIが別々に配られている。SB Intuitionsは2026年2月18日から、国の研究機関の情報通信研究機構(NICT)とアライメントやガードレールの共同研究を始めた。発表文には、国内では「日本の法制度や倫理観に基づいた『信頼できるAI』への期待が高ま」っているとある。
3つめは、答えに根拠を付けることだ。ソフトバンクは2026年6月から、静岡県藤枝市の市役所を実証の場にしている。市役所の窓口業務で使う。評価するのは「回答品質や根拠提示、安全性」。市の田中氏は「生成AIが法的な根拠やマニュアルを示してアシストすることで、必要な情報にたどり着きやすくなれば」サービス向上につながると話した。窓口の職員は、どの条文に書いてあるかを示せないと、仕事にならない。
ネットの評判
公開の日、ネットは静かだった。この話を伝えたImpress WatchとITmedia NEWSの記事は、はてなブックマークがどちらも3件、コメントは0件。
目立ったのは、技術情報サイトQiitaに同じ日に出た開発者の記録だ。6つのモデルを全部つないで、miniは1分に6回までという制限を挙げ、「miniで100件のプロンプトを評価するのに17分ほどかかります」と書いた。それでも「申し込みなしで6モデルがそろう点が便利です」とも書いている。
で、無料の代金は何か。法人向けの「Sarashina API」の案内には「入力データや応答結果はAIの再学習には利用されません」と書いてある。今回の無償ベータ版は、そこが違う。発表文には「AIモデルおよびサービスの品質向上・改善を目的として、ユーザーの利用データを活用する場合があります」とある。
無料で試す人の入力は、学習に使われることがある。法人向けのAPIでは使われない。同じ国産AIでも、入口でデータの扱いが逆になっている。
- 国産生成AI「Sarashina」を利用できる「Sarashinaサービス」の無償ベータ版を提供開始(SB Intuitions)
- トークナイズとトークン効率 - SB Intuitions TECH BLOG
- SB Intuitionsと情報通信研究機構、高性能LLMの安全性技術に関する共同研究を開始
- 国産生成AIが行政窓口の判断をサポート(ソフトバンク)
- Sarashina API(ソフトバンク・法人向けサービス紹介)
- 国産LLM「Sarashina3」の無償ベータAPIを6モデルとも叩いた:速いが、OpenAI互換を前提にすると400になる(Qiita)
- SB Intuitions、国産AI「Sarashina」を無料公開 チャットやAPIで6モデル(Impress Watch)
- 国産AI「Sarashina」が無料で試せるWebサイト、ソフトバンク子会社が公開(ITmedia NEWS)
- SB Intuitions、国産生成AIを使用可能「Sarashinaサービス」無償β版を提供開始(AI Watch)
- はてなブックマーク(Impress Watch記事のブックマーク数とコメント数)
- はてなブックマーク(ITmedia NEWS記事のブックマーク数とコメント数)
- 国産生成AI「Sarashina」を利用できる「Sarashinaサービス」の無償ベータ版を提供開始(財経新聞・プレスリリース転載)
あなたへのおすすめ よく読むカテゴリーから
よく読まれている記事
匂わせ
なかったよね
――あるユーザーが、突然の報告に
久保建英と福原遥が電撃婚、欧州旅行の写真は2年前から公開されていた
推し活の大賞を決めたのは、ファンの投票ではなかった
中島健人が受賞した、第1回 日本推し活大賞 2026の話
中島健人、第1回「日本推し活大賞」男性アイドル部門を受賞 決めたのはファン投票ではなく、業界関係者へのアンケートだった
30万のコート、
誰が買うんだろう
――松本潤が着た、29万7,000円のトレンチ
アクアスキュータムの客は50〜60代、そこに43歳の松本潤が呼ばれた
このままでは
箱根のシードも取れんぞ
――青学大の原晋監督が、出雲駅伝のあとに
青学大は出雲駅伝のどこで3分57秒を失ったのか
こちらの記事も
AIの利用進化が止まらない、
次はドローンまでも操作する
――AIの名前で出たnote記事、最初の小見出し
現場に行っていないClaude Codeが、河川敷を1枚の地図にした
ChatGPTって、結局
少し賢い検索でしょ
――ある会社員が、同僚に
カーパシーがAIの使い手を4層に分けた 自分はどこに入るのか
3Dプリンター、
買ったのに活かせていない
――買った本人が、自分のブログに
3Dプリンターを2年活かせなかった原因は印刷ではなくCADだった
同じ『au』が、
3つあった
――iPhoneが読む設定ファイルの名前