10/13 22:55 更新

見えなかったカメも、
数に入れた

――セーシェルの島で、18万3000頭

写真はイメージ Photo by Eric R. on Unsplash

10/13 14:48 / 発信国:セーシェル

セーシェルのゾウガメ、数え直したら人間より多かった

インド洋のアルダブラ環礁に、ゾウガメが約18万3000頭いる。大人と、大人になりかけのカメを合わせた数だ。セーシェル諸島財団と英エクセター大学の研究班が、科学誌「Ecology and Evolution」に出した論文の推定だ。この種では、これまでで一番多い数字になった。

19世紀、この環礁のゾウガメは1000頭を切った。船で来た人たちが食料として持ち去ったからだ。1981年に立ち入りの厳しい保護区になり、1982年には世界遺産に登録された。そこから数は戻り、1990年代末からは「10万頭」という数字がよく使われてきた。

それが18万3000頭。単純に比べれば、20年あまりで1.8倍だ。しかも、カメの数はこの国に住む人より多い。セーシェルの人口は、2025年末の公式統計で約12万3000人だった。保護の大成功、という話に見える。

ところが研究班は、「1999年から倍近くに増えた」という読み方に、はっきり待ったをかけている。なぜか。

昔は、見えたカメだけ数えていた

これまでの調査は、1ヘクタールほどの区画で見えたカメを数え、その数を全体に広げて見積もっていた。どれも、見落としを計算に入れていない。アルダブラの藪は濃い。観測者から遠いカメや、日陰にいるカメは、いても見えない。

見通しの悪い熱帯の低木の茂み
写真はイメージ Photo by David Clode on Unsplash

今回使ったのは距離標本法を発展させた計算だ。調査員は環礁の18本のルートを歩き、50メートルごとに区切って、カメまでの距離も記録した。草地か藪か、雨季か乾季かで、どれだけ見落とすかも計算に入れた。見えなかった分を足し戻した平均が、18万3274頭だった。

論文は、昔の数字について、観測者から遠くにいて見えなかったカメが抜けていた分、少なく出ていた可能性が高いとしている。ここが、ややこしい。18万3000という数には、本当に増えた分と、やっと数えられるようになった分が混ざっている。どちらがどれだけかは、この論文でも分けられていない。研究班は、数が実際に増えている可能性はある、という書き方にとどめている。

乾季に数えると、少なく出る

数は季節でも動く。乾季のカメは、物陰や暑さをしのげる場所に入って出てこない。論文はこれを、一時的にいなくなるようなものだと書き、数えるなら雨季がいいと勧めている。同じ島を同じやり方で歩いても、季節で答えが変わるのだ。

ちなみに、環礁の主な4つの島のうち、ポリムニー島には今、カメがいない。この島のルートは、計算から外された。

研究に加わったエクセター大学のデイブ・ハドソンは、この数字は「出発点であって、終点ではない」と話した。干ばつが長引き、たびたび起きるようになれば、カメの日陰と餌が減る。海面の上昇も、環礁の低い土地を脅かす。卵や子どもを食べるノネコとクマネズミも、まだいる。数えられるようになっただけで、カメが安全になったわけではない。

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出典

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