10/6 22:19 更新

ソフトって、やわらかい
アイスのことでしょ

――売り場で、よくある思い込み

10/6 16:55 / 発信国:日本

千葉・館山の落花生ソフト470円、「ソフトクリーム」は法令上の区分ではない

千葉県館山市の落花生専門店、木村ピーナッツの直売店「ピネキ」の看板商品は、470円のピーナッツソフトクリームである。公式サイトは、この品が店でいちばん売れていると書き、使うペーストは外から仕入れず、店の中で作っていると説明している。

10月5日に公開された訪問者のブログは、味を「ピーナッツの香ばしい風味がしっかり感じられ、濃厚なのに甘さは比較的控えめ」と書いた。ミルク感よりピーナッツの味が前に出ていたとしている。

同じ売り場には、珈琲フロート500円、ピーナッツパフェ550円、ピネキシェイク700円が並ぶ。ソフトと同じペーストを使っているかどうかは、公式サイトに書かれていない。公式ユーチューブチャンネルには、道の駅しょうなん店限定のパフェを紹介する動画もある。

「ソフトクリーム」は、法令の区分ではない

ところで、ソフトクリームとアイス、シェイク、パフェは、どこで線が引かれているのか。先に答えを書くと、「ソフトクリーム」は法令が決めた区分ではない。日本アイスクリーム協会は、ソフトクリームやジェラートという呼び方を、法令で定められた分類ではなく「独自の呼び名」と説明している。

法令が分けているのは、乳固形分と乳脂肪分の量による4つだけだ。日本乳業協会の表では、乳固形分15.0%以上でそのうち乳脂肪分8.0%以上がアイスクリーム、乳固形分10.0%以上で乳脂肪分3.0%以上がアイスミルク、乳固形分3.0%以上がラクトアイス、どれにも足りないものが氷菓になる。470円のソフトも、成分で見ればこの4つのどれかだ。どれに当たるかは公式サイトにない。

背の高いグラスに盛ったパフェ
写真はイメージ Photo by Sebastian Coman Photography on Unsplash

ソフトクリームとアイスクリームの違いは、温度と、固めるかどうかである。日本ソフトクリーム協議会によると、ソフトクリームの製品温度はマイナス5度からマイナス7度で、アイスクリームのように固めずそのまま出す。日本アイスクリーム協会は、アイスクリームの食べごろをマイナス8度からマイナス14度としている。

協議会は、2つを「配合や作り方が違う」とし、ソフトクリームを「出来たてのアイスクリーム」と呼ぶ。冷やしながらかき混ぜて空気を抱き込ませるのも特徴だ。業務用機器メーカーの日世によると、空気は全体の4割前後を占める。

シェイクとパフェは、呼び名の側の話

シェイクに成分の規格はない。日世が飲食店向けに公開している作り方は、出したばかりのソフトクリームをステンレスのカップに移し、味の材料を入れ、スプーンで硬さを見ながら混ぜ、容器に移してストローをさす、というものだ。この手順でいえば、シェイクはソフトクリームから作る飲み物だ。

パフェにも中身の規格はない。語源由来辞典によると、この語はフランス語の「parfait(完全な)」から来ており、背の高いグラスにアイスクリームや生クリーム、果物などを飾ったデザートを指す。説明しているのは器と盛り方で、成分の話ではない。470円と700円の差がどこから来るのかは、公式サイトに説明がない。

ネットの評判

旅行サイトのフォートラベルには、この店のクチコミが31件載っている(満足度3.35)。「濃厚」「香ばしい」という言葉が目立ち、「ピーナツバターをソフトクリームにしたような濃厚なお味でした」と書いた人もいる。駐車場が満車になり、大型連休には道路で空き待ちの列ができたという報告もある。店員の手際を褒める声と「不愛想」という声が並ぶ。

館山駅からは2.3キロ。営業は午前9時から午後6時までで、休みは1月1日だけである。

出典

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