10/6 22:19 更新

横から見たら、グラスが半分なかった

客が投稿した写真から

10/6 12:16 / 発信国:日本

正面は映え、横は半分 デニーズのパフェ、特許を取っていない

写真では、背の高いグラスに苺が並ぶ普通のパフェに見える。真横から見ると、グラスの厚みも苺も、縦に半分しかない。デニーズの「まっぷたつ?パフェ」である。2026年10月4日午後1時22分、Xのうさまる(@Lapin_serpent)が「友達が頼んだパフェがやばい」として写真を投稿した。これを取り上げたTogetterのまとめ(投稿と返信を並べたページ)は、10月6日までに閲覧8万回、はてなブックマーク207件を集めた。

返信欄には「ルパンの五右衛門に斬られたパフェか…」という驚きが並び、そこへデニーズの正式なメニューだと知らせる投稿が続いた。まとめのタイトルが拾ったのは「賢い商売だなぁ」と「ありがたい」の二つである。

削ったのは、客が撮らない側

どこが賢いのか。グラスは、正面の幅はそのままで、奥行きだけが半分になっている。苺も縦半分に切ってある。

飲食店のテーブルでデザートをスマホで撮る人
写真はイメージ Photo by Lee Milo on Unsplash

なぜ奥行きなのか。デニーズジャパンが2025年11月に18〜69歳の男女300人に行ったインターネット調査では、54%が、写真を撮るために料理やデザートを注文したことがあると答えた。デザートを残した経験がある人は、およそ3人に1人だった。担当者は食品産業新聞社の取材に、SNSに出るパフェの写真はたいてい正面から撮られている点から考えた、と答えている。幅は写真のため、奥行きは食べる人のためである。

商売としては当たった。売り出したのは2026年1月14日、渋谷公園通り店と池袋明治通り店の2店舗だけ。「あまおうのまっぷたつ?パフェ」を税込990円で出し、2週間の実績が計画の380%に届いた。買った客への調査では、残した人はいなかったという。7月8日に約90店舗へ広げ、桃とチョコを加えた。9月16日からは第3弾のシャインマスカット(税込1,078円)とクイーンルージュ(同1,188円)が並んでいる。

1年かけた形を、独り占めしない

元になったのは、デニーズでいちばん売れていたパフェ「あまおうのツリーサンデー」。税込2,409円が990円になり、正面から見た姿は残った。確かに賢い。

ただ、賢い商売なら当然やりそうなことを、デニーズはやっていない。このグラスは、東京・中野の「なかむら硝子工房」の職人が協力し、伝統的な吹きガラスの手仕事で、構想から約1年かけてできたものだ。その特許を、取っていない。担当者は同じ取材でこう話している。「デニーズだけで食べ残しをゼロにできるとは考えていない。外食業界全体で活用してもらえればとの思いから、特許は取得していない」

正面は映え、横は半分。1年かけて作ったこの半分のグラスを、デニーズはよその外食店にも使ってほしいと言っている。

出典

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