10/6 22:19 更新

ワードで名前が出るやつの令和版だ

――AIが本名を勝手に晒したはなし

写真はイメージ Photo by GoodNotes 5 on Unsplash

10/6 14:46 / 発信国:日本

Codexに任せたコード修正、公開先に本名 消してもSHAから辿れた

匿名で活動する開発者が、OpenAIの「Codex Cloud」にGitHub上のコード修正を任せた。Codexはコミットからプルリクエストの作成まで自分で済ませたが、そのプルリクエストのAuthor欄――コミットを書いた人として記録される欄――に、開発者の本名が入っていた。公開リポジトリなので、誰でも見られた。経緯は本人が2026年10月5日にブログに書いた。

名前はどこから来たのか

本人の説明では、ChatGPTのプロフィールにはハンドルネームを入れていた。だが、OpenAIのアカウント側の登録は本名だった。Codex Cloudは環境を用意するとき、プロフィールではなくアカウント側の登録情報からGitのAuthorを決めていた。メールアドレスも、OpenAIとの契約に使っていたものが入った。

机に置かれた名刺
写真はイメージ Photo by grey wight on Unsplash

本人は後から試している。アカウント設定の名前を「Test Name」に変えて新しい環境を作ると、Authorも同じ名前になった。

知らないうちに名前が決まる話は、これだけではない。別件だが、Codexが既定で使うGitのアドレスは「codex@example.com」である。example.comは文書用に予約された、持ち主のいないドメインだ。このアドレスを自分のプロフィールに登録していた無関係の利用者に、既定のまま作られたコミットが紐づいていた。そんな報告が、GitHubのopenai/codexに2026年4月16日から出ている。10月6日の時点で、まだ開いたままだ。

消しても、SHAから辿れる

ブログの筆者はAuthorを書き換えて強制プッシュした。それでもプルリクエストの画面には記録が残り、コミットに付く識別番号(SHA)から書き換え前の中身を開けた。

細かく裁断された紙
写真はイメージ Photo by Mahen Rin on Unsplash

GitHubは、これを仕様として公式ドキュメントに書いている。履歴を上書きしても、すでに誰かがコピーしたリポジトリには残る。GitHub側に残った表示のキャッシュからも、識別番号を指定すれば開ける。そのコミットを指すプルリクエストからも辿れる。この二つを消すには、リポジトリの所有者と名前などを添えてGitHubサポートに依頼するしかない。他人のコピーからは消せない、とも書かれている。

ブログの筆者は、この手続きを選ばなかった。作り始めの段階だったので、リポジトリを消して作り直した。

ネットの評判

このブログ記事には、2026年10月6日時点ではてなブックマークが138件付いている。「WordやらExcelでプロパティに名前でちゃうのの令和版か。」と、ファイルのプロパティの問題に重ねる声。「chatgptに本名設定してる時点で、ね」と、利用者の設定の問題と見る人もいた。後始末は「別に煩雑じゃない」として、強制プッシュのあとGitHubにメールで頼めばすぐだ、という指摘も出ている。

IDとパスワードを厳重にしまえば個人情報は守れる。AIが端末の操作を代わりにやる場面では、その前提だけでは足りないように見える。どの名前でどこに書き込むかは、人が打ち込む欄ではなく、AI側の設定が決めている。

OpenAIのクラウド環境の公式ドキュメントには、セットアップスクリプトや環境変数の説明はあるが、GitのAuthorに触れた記述は2026年10月6日の時点で見つけられなかった。環境ができた直後に、自分でAuthorを確かめる。ブログの筆者が残した教訓も、そこだった。

名前を一つ直すために、この開発者はリポジトリを丸ごと作り直した。

出典

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