10/6 22:19 更新

Photoshop、Illustrator、Premiere Proなど、Adobeの7つのアプリに当たるソフトをAIで作成

――ある作者が、無料で配った自分のアプリに

写真はイメージ Photo by Ben Kolde on Unsplash

10/6 21:29 / 発信国:日本

Photoshopなど7本を無料で作り直し、作者が挙げた4つの穴

Photoshop、Illustrator、Premiere Proなど、Adobeの7つのアプリに当たるソフトを、Adobeのコードを使わずに作り直したとするプロジェクトが公開されている。開発元は「ArtCraft」。7本すべてをプログラミング言語Rustで書き、ソースコードをGitHubに置いた。ライセンスはMITとApache-2.0の選択式で、商用でも無料である。

7本は、Photoshop相当のPhotoCraft、Illustrator相当のVectorCraft、Premiere Pro相当のFilmCraft、Lightroom相当のLightCraft、Acrobat相当のPrintCraft、After Effects相当のEffectCraft、InDesign相当のDesignCraft。Windows、macOS、Linuxのほか、ブラウザでも動く。PhotoCraftの最新版v0.2.0は10月5日に公開された。この話題を伝えた国内のサイト「コリス」の記事には、10月6日の時点ではてなブックマークが1,450件付いている。

Adobeのコードは使っていない、と書いてある

PhotoCraftのGitHubの説明には、作り方が1行で書かれている。「Clean-room: implemented from public specs and observed behaviour only. No proprietary code, shaders or assets.」。公開された仕様と、外から観察できる動作だけを元に作り、他社のコードもシェーダーも素材も使っていない、という意味である。

画面に表示されたプログラムのコード
写真はイメージ Photo by Chris Ried on Unsplash

中身は本物に寄せてある。選択やブラシなど34のツール、LevelsやCurvesを含む16種類の調整レイヤー、27のブレンドモード。RGBのほかCMYKとLabを扱い、1チャンネル8・16・32ビットに対応する。ICCプロファイルの埋め込みや変換、ソフトプルーフも実装されている。

ファイルの互換性は、数字で示されている。PSDを扱うライブラリ「psd-tools」の試験用ファイル309個のうち、307個は開いて保存し直しても同じ見た目で表示される。ただし、保存したファイルはバイト単位では同一にならない。画像リソースとレイヤーの記録はPhotoCraftが書き直すと断っている。

ネットの評判

コリスの記事に付いたはてなブックマークのコメントは218件。歓迎する側では「Adobe以外の選択肢がある方が嬉しい」「Lightroom代替があるのはいいな」といった声が目立つ。

慎重な声は、法律とファイルに向いている。「訴訟に対する備えはあるんだろうか」「「忠実に再現」というのは許されるものなのか?」というコメントがある。「ファイルの読み書きの互換性がないと意味がない」という指摘も出ている。法的にどう扱われるかについては、プロジェクト側の「clean-room」という説明のほかに、出典で確かめられる材料はなかった。

作者自身が挙げた、足りないもの

ここまで作ってあるなら、月額の支払いは要らなくなるのか。その問いへの答えは、作った側の言葉で、PhotoCraftの説明文の中に置かれている。

日本語で組まれた紙面
写真はイメージ Photo by Alex Ip on Unsplash

現在の状態の表記は「early alpha」、初期のアルファ版である。コリスの記事はRC版と紹介したが、GitHubに残るRC版のタグはv0.1.1-rc.5などで、最新のv0.2.0にその表記はない。そして説明文には、日常のプロの仕事では、まだPhotoshopの代わりにはならないと書かれている。いちばん大きく空いているものとして挙がっているのは、AIと生成の機能、約20個の未実装のツール、文字組みと現場の作業手順の深さ、プラグインの互換性の4つだ。

4つのうち、ツール以外は「機能の数」とは別のものである。文字組みの細かさ、仕事の段取りに合う作り、他社の拡張が動くこと。月額で買っているのは、画面に並ぶボタンではなく、この辺りだと読める。

その文字組みは、日本語の読者には他人事ではない。コリスの記事は、アプリが現時点では日本語に対応しておらず、2バイト文字が表示できないと書いている。GitHubでは、日本語を扱えるようにする提案が、プロジェクトの外の人から出ている。アプリ7本はすでにダウンロードできる。だが、日本語の文章を「私 / は / 学生 / です」のようにどこで区切るかという処理を入れる提案は、10月6日の時点でまだ取り込まれていない。

出典

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