10/13 22:55 更新

台風上陸前なのに

――5人が亡くなった

写真はイメージ Photo by Zoltan Tasi on Unsplash

10/13 21:09 / 発信国:メキシコ

ハリケーンはまだ上陸していない それでもメキシコで5人が亡くなった

メキシコの太平洋側で、二つの嵐が同じ週末に重なった。10月12日までに、少なくとも5人が亡くなった。アメリカ国境に近い北の港町エンセナダで4人、南へ大きく離れた内陸の町チルパンシンゴで1人だ。

エンセナダを襲ったのはRachel。ポストトロピカル・サイクロンに姿を変えたあとも雨を降らせ、近くの川があふれた。水は住宅地に流れ込み、道と家をのみ込んで、車も家の物も持っていった。11日に13歳の女の子、12日に女性2人と4歳の男の子が見つかった。住民の一人は、水を見て「全部、流されていった」と話したという(AP通信)。

南のチルパンシンゴでは、ハリケーンSimonの雨で壁が崩れ、71歳の男性が亡くなった。

本体は、まだ海の上にいる

ここが日本の台風と違う。Simonは、まだ上陸していない。12日の未明、ハリスコ州のカボ・コリエンテス岬の南西75キロの海上にいて、北西へ時速7キロ。最大風速は毎時185キロで、カテゴリー3だった。12日の夜にはカテゴリー2、毎時155キロに落ちた。それでも岸には来ない。進む速さは時速3キロ。

本体が海の上なのに、なぜ人が亡くなるのか。雨だけが先に陸へ来るからだ。ハリケーン警報が海沿いに出た。ハリスコ州は22の市町村で金曜と月曜の学校を休みにし、261人を先に逃がして、避難所を13か所あけた。空港も閉じた。プエルトバヤルタは13日の朝まで、マンサニージョは12日の朝までの予定だった。雨は、ミチョアカンやコリマ、ハリスコの一部で合計760ミリに届くおそれもあるとされた。

ヘリで、32人と犬3匹

同じ12日、エンセナダでは軍のヘリが動いた。土砂崩れで道がやられ、Rancho Génesisという場所に、宗教団体の人たちが取り残された。地上からは入れない。では、どうやって出すのか。州知事のマリナ・デル・ピラール・アビラ・オルメダがシェインバウム大統領に軍の力を頼み、UH-60ヘリが何度か往復した。運ばれたのは男性9人、女性10人、子ども13人の計32人。22人が外国人で、犬3匹も一緒だった。

日本に置き換えると、こうなる。台風が四国の沖に居座ったまま、同じ週末に、別の台風の名残が北海道で川をあふれさせた。これはたとえで、日本で起きた話ではない。メキシコという国の端と端で、同時に起きたことだ。

Rachelの名残は北へ抜け、南カリフォルニアに入った。ラスベガスでは日曜の朝までに2.74センチの雨が降り、1日に降った量としては、1947年に作られた10月の記録に並んだ。アメリカの国立気象局のアンドリュー・オリソンは、Rachelが連れてきた一番ひどい部分はもう過ぎたが、まだ天気は不安定だと話した。

ネットの評判

TikTokには、エンセナダの女性が撮った動画が上がった。雨の水が新しい家のすぐ横を削り、大きな溝ができている。再生は7万2,000回を超えた。心配する声に混じって、家の場所や土地を責める声も出た。女性は「私たちは不法占拠者ではない。手続きはそろっているし、不動産会社にお金も払い続けている」と返した(TV Azteca Baja California)。

行方不明の人は、まだいる。APは、エンセナダの4人と、土曜に釣りに出たまま帰らないサンフェリペの父と子を伝えた。州全体で10人とした報道もあったが、13日の続報では5人になっている。Simonの上陸は16日の金曜ごろという予想で、13日もゆっくりシナロア州の方へ進んでいた。住宅の被害は、最大201戸と伝えられた。亡くなった4人は水に流され、残る1人は崩れた壁の下だった。どちらも、本体が陸に上がる前の雨による。

出典

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