10/6 22:19 更新

底を上にしたら、鉱石が出た

長崎・茂木のカステラ

写真はイメージ 撮影 663highland/CC BY 2.5(ウィキメディア・コモンズ)

10/4 12:02 / 発信国:日本

「ほぼ鉱石」で206万表示のカステラ、変わったのは向きだけだった

カステラの写真には、だいたい決まった型がある。正面から1本、あるいは切り分けた断面。しっとりした黄色い生地に、うっすら茶色の焼き面。もう何百回も見た絵だ。

ところが、ある1枚はその型をまるごと無視していた。皿の上で、カステラが底を天井に向けている。

主役は生地ではない。ざらめの粒が、底の面を端から端まで埋めている。氷砂糖を割って一面に並べたような大きさだ。ねとらぼによると、横にすれば皿にこぼれ落ちるほどの量がある。この投稿は206万回表示され、3万1,000件を超える「いいね」が付いた(「♡」=@anpiic_ の投稿。2026年7月20日のねとらぼ記事掲載時点)。

「ほぼ鉱石」。付いた呼び名がこれである。菓子の感想としてはなかなか失礼だが、写真を見ると、これより正確な言葉も思いつかない。ほかにも「顧客が求めていたものすぎる」「ザラメが本体」「即注文した」という声が並んだ。

新商品ではない

ここで拍子抜けする話をすると、この鉱石は新発売の品ではない。長崎市茂木町の「茂木一まる香本家」が売る「長崎かすてら 0.5号」。価格は1,080円(税抜1,000円)。大きさは、ねとらぼによると90×120×48ミリ。公式サイトの商品説明には、こう書かれている。「ザラメをちりばめ、昔ながらにしっとりと焼きあげました」。卵は長崎県雲仙市の「太陽卵」。店の創業は弘化元年、1844年である。

大粒のざらめ糖のイメージ写真
写真はイメージ Photo by Milan Czar on Unsplash

つまり、ざらめは前から売り文句に入っていた。一行、ちゃんと書いてある。レシピが変わったわけでも、値下げしたわけでも、新しい広告を打ったわけでもない。

206万回の表示に必要だったのは、カステラを裏返すことだけだった。

底は、ずっと下にあった

売り場でカステラがこちらに見せているのは、いつも焼き面か断面だ。箱を開けても、包み紙をはがしても、底は下を向いている。この菓子がいちばん派手に持っている部分は、構造上、見えない側に置かれていたことになる。

商品写真を何枚撮っても出てこなかった絵は、買った人がひっくり返した手元で一発で出た。動かしたのはカメラではなく、カステラのほうだった。

その絵を見せたのは、底面を上に向けた1枚だけである。カステラは何も変えていない。ずっと同じ場所に同じ量のざらめを敷いて、律儀に正面を向いていただけだ。

出典

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