10/9 17:49 更新

【続報】対立候補を応援した町の
道路予算は、大幅にカットした

――ある大臣が、地元の集まりで

写真はイメージ Photo by Keisha Riley Lemons on Unsplash

10/8 18:07 / 発信国:日本

簗農相の続投を首相が明言 同じ道路予算が「54%減」にも「22%増」にもなる

10月8日、高市早苗首相が参議院の本会議で、簗和生農林水産相を続投させる意向を明言した。道路予算をめぐる簗氏の発言について、首相は「私自身、不適切だと考えたので厳しく注意した」としつつ、「しっかりと説明した上で職責を全うしてほしい」と話した。簗氏も同じ本会議で「自らを律し、職務の遂行に全力を尽くす」と話した。辞めない、ということだ。

簗氏は5月、栃木県で開かれた党支部の懇親会で「2026年度の道路予算は大幅にカットした」と話した。相手は那須烏山市と那珂川町。2月の衆院選で対立候補を支援した首長がいる。報じられて問題になり、10月5日に撤回して謝った。「担当省庁に予算削減の働き掛けをした事実はない」とも説明している。

「最大54%減」は、どこを数えた数字か

では、予算は本当に減ったのか。ここが、ややこしい。

国土交通省が10月6日に出した調査結果によると、2026年度にこの2市町へ配られた社会資本整備総合交付金と防災・安全交付金のうち、市町が事業主体の分は、那須烏山市が26.2%減、那珂川町が54.1%減だった。これが「最大54%減」と報じられた数字だ。

ところが、県が事業主体の分を足すと逆になる。那須烏山市は20.5%増、那珂川町は22.0%増である。同じ2市町の、同じ年度の、同じ交付金の話だ。どこで線を引くかで、「半分近く減った」とも「2割増えた」とも言える。

では、だれがどう決めたのか。国交省は「限られた予算の中で自治体からの要望や事業の進捗状況、重点配分対象の有無等を総合的に勘案して実施している」と説明する。総合的に勘案、である。どの要素がどれだけ効いたのかは示されていない。

道路工事のイメージ写真
写真はイメージ Photo by Tom Shamberger on Unsplash

国交省は、簗氏の圧力や働きかけは確認されなかったとした。ただ、簗氏が2月中旬、予算が決まる前に当時の佐々木紀副大臣らへ配分額を問い合わせたことは認めている。やりとりの中身について、簗氏は「明確に覚えていない」、当時の黒田昌義官房長も「覚えていない」と話している。

国会で聞かれたのは、ほとんど「辞めるか、辞めないか」

8日の参院本会議で質問に立ったのは、立憲民主党の田名部匡代幹事長だ。「予算を政治的な報復に用いようとした姿勢」を批判し、首相の任命責任を追及した。首相は発言を不適切と認めたが、任命責任には明確に答えなかった。野党側には、委員会の審議を拒否する動きも出た。

仕組みの側を聞いた人もいた。7日の衆院本会議では、公明党の岡本三成代表が「予算配分に政治的な支持・不支持を持ち込まない原則を政府内に徹底する」ことを明言するよう求めた。首相は「政治的な支持・不支持を持ち込まないのは当然のことであります」と答え、栃木県の2市町についても「こうした考え方に基づき、配分された」と話した。国民民主党の玉木雄一郎代表は6日、全省庁を調査して結果を国会に出すよう求めた。

決め方を問う声は出ていた。ただ、返ってきたのは、原則の確認と「適切に配分された」という答えだった。配分の根拠を一件ずつ開く、という話にはならなかった。

ネットの評判

続投の速報には、10月8日の時点で230件を超えるはてなブックマークが付いた。多いのは、「不適切」で済む話ではない、任命責任を問うべきだという声だ。

簗氏は大臣を続ける。市町の分だけ減り、県の分を足すと増えたのはなぜか。その中身は、まだ説明されていない。

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