届くなら、
店まで行かないよ
――インドで、日本のコンビニが5年で消えた
写真はイメージ Photo by Rap Dela Rea on Unsplash
インドのセブン全31店が閉店 勝てなかったのは隣の個人商店
駅前に、海の向こうで有名なコンビニができたとする。24時間開いていて、菓子も飲み物も並んでいる。けれど、家から歩いて1分のところには、昔からの小さな店がある。しかもスマホで頼めば、同じ物が数分で玄関に届く。その新しい店に、わざわざ入る理由はあるだろうか。
舞台はインド、ムンバイとプネ
これはたとえ話で、日本で起きたことではない。実際の舞台はインドだ。セブン&アイ・ホールディングスの7-Elevenは、インドに残っていた31店を2026年9月30日に閉めた。店があったのはムンバイとプネ。セブン&アイの広報は、現地で店を運営していたリライアンスが31店すべてをその日付で閉めたと認めている。
1号店は2021年10月、ムンバイのアンデリ東に開いた。インドの小売り大手リライアンス・リテールと、5年のマスターフランチャイズ契約を結んでのことだ。店は一時60店ほどまで増えた。そこから減り続け、最後に残った31店が消えた。
数字は、かなり厳しい。2026年3月期の売上は約92クロールルピー、米ドルにして約1060万ドル。純損失は約90クロールルピーで、売上とほぼ同じ額だ。1年で、売った分をそのまま失ったことになる。
働いていた人はどうなったのか。リライアンス・リテールの別の食品・小売りの事業に移った、と現地メディアは伝えている。
負けた相手は、隣の個人商店と「数分で届く」宅配
世界で店を増やしてきたチェーンが、なぜ勝てなかったのか。インドの業界メディアの分析では、二つの相手に挟まれていた。
一つはキラナだ。家から近く、客の顔を覚えていて、ほしい分だけ売ってくれる。顔見知りならツケも利く。店の設備も人手も、7-Elevenのような店ほど要らない。
もう一つはクイックコマースだ。頼んだ物が数分で玄関に着くなら、店に行く理由そのものが消える。
一方の7-Elevenは、家賃も人件費も在庫も、冷蔵設備も物流も抱えていた。その費用を薄められる店数に届かなかった、と現地のビジネスメディアは書いている。すぐ食べられる食事が弱かった、という指摘もある。同じ7-Elevenでも、タイでは売上の7割以上を食べ物が稼いでいるそうだ。インドでは、そこが作れなかった。
規模の差も書いておきたい。日本のセブン-イレブンは2万1743店あり、1店が1日に平均69万2000円を売る(2025年2月期)。インドでは、いちばん多いときでも60店だった。暮らしに密着した商売は、その土地の買い方に合っていなければ、店数そのものが伸びない。
ネットの評判
海外の掲示板サイトRedditの経済の板では、この撤退を伝える記事に781点の支持が付いた(話題を集めた時点)。目立ったのは、キラナがあって、7分で届く宅配もある場所で、わざわざコンビニに入る理由がない、という声だ。
セブン&アイは、インドの消費者に応えたいという姿勢は変えず、長い目で進出の道を探すとしている。そしてそのインドへ、別の日本のコンビニが入る。ローソンは2027年にムンバイで1号店を開き、2030年までに100店をめざす計画だ。
- 7-Eleven pulls out of India after five years(Inside Retail Asia)
- All 7-Eleven Stores In India Shut Down By Reliance(Trak.in)
- Reliance Closes All 7-Eleven Stores in India(Entrepreneur India)
- 7-Eleven Shuts All 31 India Stores As Reliance Retail Partnership Ends But Japanese Owner Eyes Comeback(Free Press Journal)
- 7-Eleven's India exit shows just how hard convenience retail really is(Marksmen Daily)
- データで見るセブン‐イレブン(セブン-イレブン・ジャパン)
- 7-Eleven pulls out of India after five years(Reddit r/Economics。当方の環境から開けず、781点と反応の傾向は収集時のメモによる)
あなたへのおすすめ よく読むカテゴリーから
よく読まれている記事
匂わせ
なかったよね
――あるユーザーが、突然の報告に
久保建英と福原遥が電撃婚、欧州旅行の写真は2年前から公開されていた
推し活の大賞を決めたのは、ファンの投票ではなかった
中島健人が受賞した、第1回 日本推し活大賞 2026の話
中島健人、第1回「日本推し活大賞」男性アイドル部門を受賞 決めたのはファン投票ではなく、業界関係者へのアンケートだった
会場は8月に再開済み。それでも延期
三浦大知の熊本公演が延期になった理由
三浦大知、熊本公演を延期と発表 会場は8月に営業を再開していた
ネクタイなし、片手は後ろ、浅いお辞儀
timeleszの謝罪会見に集まった指摘