10/9 17:49 更新

池に垂らしたのは、釣り竿ではなく充電コード

中国・泰山の許願池で

写真はイメージ Photo by Nastia Petruk on Unsplash

10/8 11:19 / 発信国:中国

中国・泰山の願掛けの池で硬貨を釣った子ども、没収されたのは硬貨ではなく「充電線」

中国・山東省の泰山で2026年10月5日、願いをかけて硬貨を投げ入れる池に、10代前半の子どもたちが細い線を垂らしていた。釣っていたのは魚ではない。観光客が投げ込んだ硬貨だ。

見かけた劉さん(仮名)の話では、線の正体はスマートウォッチの充電コードだった。先を水に差し入れ、何度も引き上げる。1人あたり10〜20元、日本円で数百円になったらしい。やっていたのは子どもばかりで、大人は一人もいなかったと劉さんは話している。この日は国慶節国慶節の連休中だった。

なぜ充電線で硬貨が釣れるのか

スマートウォッチの充電コードは、先が磁石になっている。時計の裏にぴたりと吸い付いて充電する、あの仕組みだ。そして中国の硬貨には、鋼(はがね)の芯が入っているものがある。中国人民銀行が2019年に出した公告によると、5角硬貨は鋼の芯にニッケルをめっきしたもので、それまでも芯は鋼だった。鋼は磁石に付く。

先が磁石になっているスマートウォッチの充電線
写真はイメージ Photo by Nils Huenerfuerst on Unsplash

つまり、磁石を水に入れて揺らせば、硬貨のほうから付いてくる。子どもたちの思いつきは、道具の選び方としては正しかった。どの硬貨が付いてきたのかは、出典には書かれていない。

ただ、職員が気づくのは早かった。すぐにそばへ行って止め、注意した。そして取り上げたのは、硬貨ではなく充電コードである。中国の媒体によると、子どもたちは釣り上げた硬貨を池に投げ戻した。

では、池の硬貨はもともと誰のものなのか。ここが、ややこしい。泰山の観光エリア(景区)は、たまった硬貨をどう扱っているかを説明していない。所有者を決めた決まりも、今回の出典では確かめられなかった。微博微博の話題をまとめた媒体Trending on Weiboによると、いちばん議論を呼んだ投稿は、子どもに悪気はないと認めている。そのうえで、池の硬貨は自分の金ではなく、取るのは公共のルールを外れた行いだとしていた。必要なのは取り上げることより、親が教え、景区が見回って注意書きを出すことだ、とも書いていたという。

景区の電話窓口は、取材の時点ではまだ客から話が来ていないと答えた。内容を書き留めて現場に伝える、という返事だった。新浪のまとめによると、景区はさらにこう呼びかけている。許願池を「捞金池」、つまり金をすくう池にしないでほしい。

硬貨は、池に戻った。戻ってこなかったのは、充電コードだけである。

出典

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