10/9 17:49 更新

減らすくらいなら、
値上げでいい

――ある買い物客が、老舗メーカーに

写真はイメージ Photo by Mikey Frost on Unsplash

10/7 15:35 / 発信国:日本

シャウエッセン10g減、「正直な広告」がガリガリ君と分かれた線

日本ハムは10月5日、ウインナーソーセージ「シャウエッセン」の2束の内容量を、117g×2パックから107g×2パックに減らすと発表した。参考小売価格は702円(税込)のまま据え置かれ、変更は10月1日の納品分から適用されている。報道によれば、1パックの本数は6本から5本に減り、1本あたりの重量は約19.5gから約21.4gに増える。

前日の4日、公式Xは「隠さず、正直に話します。時代に負けてたまるか。」と予告していた。5日の読売新聞朝刊の広告には「正直に伝えます。シャウエッセンの内容量が減ります。でも、ただ減らすだけなんてしたくなくて。一本あたりの重量を増やし、肉感をアップしました。時代に負けてたまるか。」とあった。この広告に批判が集まった。

頭を下げた駄菓子、胸を張ったウインナー

赤城乳業は2016年、「ガリガリ君」を60円から70円に上げるとき、会長と社員が並んで頭を下げるCMを流した。テレビ放送は4月1日と2日だけだったが、YouTubeで100万回を超えて再生され、「これは責められないよなあ」という声が目立った。2024年に80円(税別)へ上げたときも同じ広告をリメイクし、お辞儀は前より深くなった。

やおきんは2022年、「うまい棒」を42年で初めて10円から12円に上げた。コピーは「なくなっちゃうほうが、悲しいから。」だった。読売新聞に4回続けて出し、最後は「続けるって、ロックだぜ。」で締めた。Twitterの投稿には9万3,000を超えるリツイートと39万6,000のいいねが付いた。胸を張った言い方でも、批判は広がらなかった。

違いは、動かした数字である。ガリガリ君もうまい棒も、上げたのは値段だった。シャウエッセンは価格を動かさず、中身を減らした。Yahoo!ニュース エキスパートの篠原修司氏は、炎上の原因は減量そのものではないと指摘している。問題は、後退する知らせを前向きな言葉で包み、肝心の数字を目立たない大きさで出した点にあるという。経済メディアcokiの佐藤智之氏も、表記の小ささを問題にしている。

なぜ値上げではなく、量が減るのか

TBS NEWS DIGは、中東情勢などによる原材料費と物流費の高騰が理由だと伝えている。では、なぜ素直に値上げしないのか。料理研究家のリュウジ氏は5日、Xで「スーパー側が値段を変えるのを極端に嫌うから」だと説明した。企業は値上げより減量を選びやすいという見方である。リュウジ氏は、過去のレシピに「ソーセージ3本(1/2袋)」と書いたものが多く、全部見直さなければならないとも書いている。

スーパーの棚に並ぶ値札
写真はイメージ Photo by Declan Sun on Unsplash

ネットの評判

Xでは「コピーと中身が噛み合ってない」「意思表示なんかより変更点を大きく表記するべきでは」といった声が出た。広告の専門媒体アドタイは、「『負けてたまるか』は、内容量も価格も変えない時に使えるのでは」という指摘や、「減らすくらいなら値上げでいいです」という声を紹介している。品質を保つなら値上げでよいと理解を示す声も取り上げている。リュウジ氏は、商品の質は変わらず優れているとも述べている。

シャウエッセンは2022年10月にも、1パックを127gから117gへ10g減らしている。篠原氏は、そのときは「批判は起きても炎上とはなっていません」と書いている。ガリガリ君は10円上げて頭を下げ、うまい棒は2円上げて「続けるって、ロックだぜ。」と胸を張った。シャウエッセンは、702円を動かさないまま4年で20g減らして、胸を張った。

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