10/9 17:49 更新

おまけだけ、
欲しい

――アメリカのコーヒー店で起きたこと

10/9 11:13 / 発信国:米国

無料の「ぷにぷに」に車列800メートル、米アイオワの市が道路の規制も検討

無料のおもちゃのために、車の列が800メートルできた。アメリカ・アイオワ州ベッテンドルフのドライブスルー型コーヒー店「7 Brew」で起きたことだ。地元局KWQCによると、列は0.5マイル、約800メートル。後ろは、隣のパーマーヒルズ・ゴルフコースの入口に届いていた。

配られたのは「Brew Doh」。握ってつぶす、手のひらに乗る大きさのおもちゃだ。中か大の飲み物を2杯買えば1個もらえる、9月7日だけの企画だった。元になったNeeDohというおもちゃがTikTokで流行っていた。客の多くも、配布をSNSで知ったという。

たかがおまけで、と思うだろう。店の地域責任者も、その日の商売は25%ほど増える見込みだと市の職員に説明していた。ふたを開けたら、増えたのは200%だった。

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警察に通報、1台で87ドル分

配布は全米の7 Brewで一斉だった。毎月7日はJackpot Dayで、9月のおまけがBrew Dohだった。店は全米で700を超え、1日に最大100万杯を売る。

サウスダコタ州スーフォールズでは、一度に70台以上がつながり、2時間待ちになった。道がふさがれているという通報が、警察に2件。朝8時ごろと、昼どきだった。

ファストフードの紙袋
写真はイメージ Photo by Tamás Szabó on Unsplash

オクラホマ州スティルウォーターの店でも、待ちは2時間に達した。店のシフトリーダーは地元の学生新聞に「警察は実際、うちを閉めさせようとした」「待っている客に500ドルの違反切符を切っていた」と話している。客は同じ車に乗っていても別々に注文した。「1台で87ドル分の飲み物を注文する集団もいた」とも話した。

日本は売り方を変え、アイオワは道路を見ている

去年の夏を思い出す人もいるだろう。2025年8月、マクドナルドのハッピーセット「ポケモン」である。おまけのポケモンカードは8月9日から3日間の予定だったが、初日に早期終了が知らされた。転売目的の大量購入が起き、おまけだけ取って食べ物を置き去りにする人もいた。マクドナルドは8月11日に公式サイトで謝り、ハッピーセットの個数制限を厳しくすると決めた。運営を妨げた客を、公式アプリから退会させる。

起きたことは、よく似ている。違うのは、直す場所だ。日本では、企業が売り方を変えた。ベッテンドルフでは、市が道路を見ている。市の職員は、店から出る車が何車線も横切るので見通しが悪く、側面衝突が起きかねないと話した。次の販促でまた同じように詰まるなら、新しい決まりや道路の規制も考える、と市議たちは言っている。

評判は、割れている

YouTubeでは、この流行を批判する解説動画が10月5日に出て、再生は210万回を超えた。握ってつぶすおもちゃは、2000年代には売れ残ってごみになるものだった。それをTikTokが「どうしても欲しいもの」に変えた、という話だ。無料のおまけが30〜150ドルで売られていることにも触れている。

一方、現地のテレビ局に聞かれた客は「幸せ。ただの喜びです」「手の中の幸せです」と答えていた。日本のハッピーセットのときも、声は割れた。マクドナルドの謝罪に、SNSでは「対応が遅すぎます」「最初からやれ」。「個人的には評価できる対応」と受け止めた人もいた。

無料で配った手のひらサイズのおもちゃ1個のために、市と店は、駐車場の出口を右折だけにする相談をしている。

出典

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