10/13 23:45 更新

5ドルで買ったカメが、
まだ生きている

――カナダの博物館で、84年

写真はイメージ 撮影 Andrea Westmoreland from DeLand, United States/CC BY-SA 2.0(ウィキメディア・コモンズ)

10/12 22:29 / 発信国:カナダ

カナダの104歳のカメ、10月13日に手術 野生の寿命の2倍を生きてきた

カナダ東部ハリファックスの自然史博物館で、10月13日、104歳のリクガメが手術を受ける。名前はGus(ガス)。膀胱結石を取り出すためだ。手術が決まってから2週間で、数百通の手紙とお見舞いのカードが届いた。絵を描いて送った人もいる。SNSの書き込みは数千件。カナダの外からも来ている。

野生なら40〜60年。Gusはその倍を超えた

Gusはゴファーガメという種類だ。アメリカの自然保護団体ネイチャー・コンサーバンシーの説明では、この種の寿命は野生で40〜60年、飼育下で90年ほど。Gusの104歳は、野生の寿命の倍を超えている。Gusは、世界でいちばん長生きしているゴファーガメだとされている。

草の上を歩くリクガメ
写真はイメージ Photo by Wildlife by Irina on Unsplash

「カメなんだから長生きでしょ」と思うかもしれない。ところが、カメの世界で見るとGusは最高齢ではない。南大西洋のセントヘレナ島に、ジョナサンというセーシェルセマルゾウガメがいる。1832年ごろ生まれで、2026年で少なくとも194歳。ギネス世界記録が、陸にすむ動物の世界最高齢と認めている。

つまりGusの104歳は、「カメだから」の長生きではない。野生にいたら40年か60年で終わっていた寿命を、倍にした数字だ。ちなみにゴファーガメはキーストーン種と呼ばれている。掘った巣穴を、ほかの生き物が300種以上も間借りするからだ。

5ドルで買った館長は、15年前に亡くなった

Gusが博物館に来たのは1942年。当時の館長ドナルド・クロウディスさんが、フロリダのロス・アレン爬虫類研究所から5ドルで買って連れ帰った。クロウディスさんは1913年生まれ。2011年11月27日に、97歳で亡くなっている。Gusは、自分を買った人より15年近く長く生きていることになる。

名前の由来も、昔の人だ。1950年代に博物館を手伝っていたボランティア、ジョン・オーガスタス・ギルヘンさん。おやつをもらえるまでGusが彼の靴をつついたので、その名前が付いた。

石の話が、ややこしい。石が見つかったのは2009年だ。当時の手術は、甲羅に穴をあけるしかなく、回復にも時間がかかった。石はカメによくあるもので、Gusも痛がっていなかった。博物館は様子を見ることにした。それから17年。CTで撮り直すと、石は大きくなり、となりの組織を押しはじめていた。今回は脚の小さな切り口から取り出す。甲羅は切らずに済む。

大丈夫なのか、という話。博物館の責任者のジェフ・グレイさんは「こういうことをするときは、やはり心配します。でも彼はとても元気で、元気なカメの手術はうまくいっています」(訳)と話した。いま痛がる様子はない。ただ、このまま石が大きくなると、ほかの臓器を押して、つらくなるのが心配だという。

世話をする側が、先に入れ替わっていく。2009年に「いまは待とう」と決めた人たちが、17年後の手術の日に全員そろっているとは限らない。104歳の生き物を預かるというのは、そういうことなんだろう。

ネットの評判

反応はほぼ応援一色だ。目立つのは「子どものころに会った」という声だ。グレイさんは「みんながGusと同じ体験をしているのが、本当に素敵です。子どものころにGusに会った人が、自分の子どもを連れて、孫を連れて、また来てくれる」(訳)と話した。高齢だから手術はやめるべきだ、という声は、出典の記事では確かめられなかった。

Gusの日課は、午後3時の散歩だ。天気が良ければ博物館の裏庭を歩き、寒い日や雨の日は館内の展示のあいだを歩く。好物は、オーガニックのロメインレタス、クローバー、タンポポ、バナナ。手術前の週末も散歩は続き、10月12日の月曜が、しばらくのあいだ最後の公開になる。この散歩には20人ほどが集まり、イチゴとレタスとバナナを食べるGusを見ていた。

手術が済めば、数週間は公開せずに休む。そのあと、午後3時の散歩が戻ってくる。1942年から84年、続いてきた日課だ。

出典

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