10/14 00:09 更新

YouTubeは、
やめさせたはずだった

――ある父親が、動画配信サービスに怒った

写真はイメージ Photo by Steve A Johnson on Unsplash

10/11 19:09 / 発信国:英国

イギリスの親が、Netflixの設定でYouTuberを消し始めた

「子どもにYouTubeは見せない。でも、動画配信サービスなら見せていい」。そんな線引きをしている家は、日本にもあるだろう。イギリスの新聞ガーディアンが10月11日に伝えたのは、その線が消えた話だ。父親のサイモン・フーパーの家は、半年前にYouTubeをやめていた。そこへ、YouTubeで人気の親子の番組が、Netflixの子ども向けの画面に入ってきた。フーパーは動画で怒った。NetflixがYouTuberに「脳が腐るもの」を作らせ、「うちの子の目の前に戻してきた」(訳)。

登録者4200万人の親子が、子ども向けの棚に入ってきた

批判の的になったのは、ジョーダン・マターと娘のサリッシュだ。父は2017年に写真の動画から始め、娘が出た動画が当たって家族の動画に切り替えた。2人の登録者は合わせて4200万人を超える。今年2月にNetflixと契約した。16歳になった娘が主役の新しい番組も出る。

居間のテレビの画面
写真はイメージ Photo by Howard Bouchevereau on Unsplash

中身は、家族でやるゲームのような挑戦だ。「父をだますために偽のデートに行った」(訳)といった題が付く。文字が飛び出し、場面が細かく切り替わる。YouTubeの再生データを秒単位で見ながら磨いてきたリテンション編集というやり方だ。

子ども向けのNetflixが変わり始めたのは、この親子からではない。2020年に乳幼児向けの「Cocomelon」が入って以来、人気の配信者が次々に移ってきた。出来上がった客と、見続けさせる技術が、まとめて来る。

8歳の息子がいる母親は、数か月前からNetflixの子ども向けが「急に、声が大きく、ゲームみたいになり、度胸試しばかりになった」(訳)と話す。同じころ、親同士のグループチャットで、配信者をブロックする方法のやりとりが始まったという。

イギリスは、同じ騒ぎを何度もやってきた

安い読み物が子どもを壊す、という騒ぎは、イギリスが何度も通った道だ。1840年代から売られたペニー・ドレッドフルは、1880年代から90年代に、少年の犯罪の原因だとされた。当時から、こんな反論もあった。「ペニー・ドレッドフルがなかったころにも、使い走りの少年の盗みはあった」(訳)。

色とりどりのゴム製ブレスレット
写真はイメージ Photo by Tahamie Farooqui on Unsplash

近い例もある。2014年のイギリスの子どもは、ルームバンドに夢中になった。学校は禁止した。ボルトンの小学校は、校内の農場の羊やヤギ、ニワトリのところにゴム輪が入り込むからやめさせた。

では、何が流行を終わらせたのか。禁止ではない。安売り店のパウンドランドは、ピーク時に週72万8000本のゴム輪を売っていた。それが週2000本まで落ちた。600万本を売ったあたりで、子どもが飽きたのだ。

ネットの評判

フーパーの投稿はInstagramで広まり、「いいね」が6万、コメントが3900件を超えた。多くは同意の声だ。ただ、あるユーザーは「簡単だろう。親がやればいい。家もテレビもあなたのものだ」(訳)と書いた。目立つのは、消しても別のところから出てくるという不満だ。スマートテレビにはYouTubeもNetflixも最初から入っていて、消せない。

で、結局どうするのか。Netflixはガーディアンの取材に答えず、保護者向けの設定の案内を示した。その案内によると、子ども用のプロファイルで番組をブロックするには、ブラウザから入るしかない。テレビのアプリの中ではできない。

体に悪いのか。先週出た64か国のデータをまとめた研究は、子どもの画面の時間が長いことと、学力の低さや言葉の育ちの問題が結びつくと報告した。ただ、番組の種類ごとの影響は、研究が足りず結論が出ていない。

オーストラリアのRMIT大学で子どもの視聴を追うジェシカ・バランザテギ准教授は、別の変化を見ている。7歳から13歳の子どもたちが、YouTubeの動画を自分から「くず(slop)」「うそだらけ」と呼ぶようになった。2023年の調査のときより、その見方は強いという。

出典

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