10/6 22:19 更新

パンダ、
もう日本にいないんだ

――2026年1月から、国内はゼロ

写真はイメージ Photo by Sid Balachandran on Unsplash

10/2 17:59 / 発信国:中国(アメリカ)

アトランタに2頭、日本はゼロ 到着を告げたのは国家主席だった

上野動物園でシャオシャオとレイレイを見られる最後の日は、2026年1月25日だった。2頭は中国へ返され、日本国内のパンダはゼロになった。1972年に初めて来て以来、半世紀ぶりである。空いた獣舎に次が入るという発表は、まだない。

その8か月後、海の向こうでは逆のことが起きた。

舞台はアトランタ、届いたのは平平と福双

2026年9月27日、中国・成都を発ったオスの「平平(ピンピン)」とメスの「福双(フーシュアン)」が、米ジョージア州のハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港に降りた。運んだのはFedExが提供したボーイング777で、「パンダ・エクスプレス」と名づけられた機体である。飛行は約16時間。2頭はどちらも2020年に成都ジャイアントパンダ繁育研究基地で生まれた。平平が3月17日、福双が10月18日の生まれだ。

空港の滑走路に止まる貨物機
写真はイメージ Photo by Patrick Campanale on Unsplash

アトランタ動物園は2024年までパンダを飼育しており、約2年ぶりの復帰となる。米国でパンダを飼育する3施設の一つで、南東部では唯一である。貸与は10年。同園と中国野生動物保護協会が2026年4月に始めた保護研究の協定に基づく。2頭は約1か月の検疫に入り、公開日は未定である。中国の獣医と飼育員も3か月間、同園に滞在する。

パンダの居場所が、関係の温度を映す

2頭が来ると先に明かしたのは、動物園ではない。9月24日、ホワイトハウスでトランプ大統領の隣に立った習近平国家主席が、到着の時期を述べた。習氏はパンダを「中国人とアメリカ人の友好の使節」と呼んだ。NBCニュースは、この貸与を3日間の国賓訪問で得られた「数少ない具体的な成果の一つ」と書き、同時に、両国の長年の対立点はどれも解けなかったと記している。

動物園の無人の展示場と柵
写真はイメージ Photo by Alexandre Juca on Unsplash

中国が贈与をやめて有償の貸与に切り替えたのは1984年だと、米誌タイムは伝える。受け入れ国の負担は1ペアあたり年100万ドル前後とされる。同誌は、中国側がオバマ大統領にダライ・ラマとの会談をやめるよう警告した数日後、米国生まれの子パンダ2頭が中国へ帰った2010年の例も挙げた。日本のパンダがゼロになったことについても、同誌は「台湾をめぐる日本との緊張のさなか」と書き添えている。

米国の動物園にいた中国所有のパンダは、かつて20頭。2024年以降に減り、残るのは6頭だという(ノースイースタン大のニュースサイト)。同大のシャオシャオ・シェン氏は、パンダには「明確な政治的側面がある」と述べる。居場所が保護研究の都合だけで決まっている、とは読みにくい。

ネットの評判

出典で確かめられる声は、個人の投稿ではなく、動物園の公式発信と地元局の取材に限られた。アトランタ動物園は9月30日、福双の姿を初めて公開し、2頭とも「よく食べ、日ごとに慣れてきている」と伝えた。地元局の取材では、公開を待って年間会員になった家族や、まだ1歳前の子を連れて行きたいという親の声が紹介された。動物園に近いグラントパーク地区では、近隣の店が歓迎の看板を出している。

冷ややかな側は、個人ではなく研究者と世論調査から出てくる。米誌タイムが引いたシカゴ大NORCの2026年調査では、米国の動物園にパンダが来ることで中国への見方が良くなると答えた人は28%だった。ノースイースタン大のダニエル・オルドリッチ氏は「中国はウイグル族への虐待ではなく、パンダについての明るい見出しを望んでいる」と述べている。

出典

よく読まれている記事

こちらの記事も

← 一覧へ戻る