10/6 22:19 更新

犬は、この部屋では
飼えない

――ある賃貸住まいの人が

写真はイメージ Photo by Luku Muffin on Unsplash

10/6 17:48 / 発信国:米国

米国で子猫が子犬を初めて上回る 日本が9年前に通った道

アメリカで、生まれて1年未満の猫がいる世帯が、1年未満の犬がいる世帯を初めて上回った。調査会社パッケージド・ファクツの集計で、子猫のいる世帯を1とすると、子犬のいる世帯は0.94になった。前年は1対1、10年ほど前は子犬のいる世帯が子猫のいる世帯のおよそ2倍あった。

増えたのは猫ではなく、減ったのは犬

この逆転は、猫が急に人気になって起きたのではない。犬を飼う世帯が減ったことのほうが大きい。同社のロバート・グラナダーCEOも「これは猫が犬に取って代わる話ではない」(訳)と説明している。

街の歩道をリードで歩く犬
写真はイメージ Photo by Andriyko Podilnyk on Unsplash

犬が減った理由として挙がっているのは、住まいと金だ。住宅価格と住宅ローン金利が高く、実質賃金の伸びが鈍いため、家を買う人が減っている。持ち家の人は、賃貸の人のおよそ2倍、犬を飼っている。

飼育費も違う。同社の推計では、飼い主が1年に使う額は犬が平均1,300ドル、猫が約750ドル。米ペット用品協会(APPA)が9月14日に公表した調査では、猫を飼う世帯は5,300万世帯で全世帯の39%、前年より5%増えた。Z世代の男性で猫を飼う人は、1年で27%増えている。ペット通販チューイーのスミット・シンCEOは「犬は悪化しているように見え、猫は強まっているように見える」(訳)と述べた。

日本は9年前に、同じ線を越えている

日本の読者には、どこかで見た話かもしれない。ペットフード協会の調査で、猫の推計飼育数が犬を初めて上回ったのは2017年だ。猫952万6,000匹に対し、犬892万匹。1994年に調査が始まって以来、初の逆転だった。

集合住宅の窓辺にいる猫
写真はイメージ Photo by Quan Jing on Unsplash

当時、理由として挙げられたのは、鳴き声の大きさで集合住宅では飼いにくいこと、世話の時間が取れないこと、高齢化と単身世帯の増加だった。アメリカで今年挙がっている理由と、並びがほとんど同じだ。2025年の調査では犬682万匹、猫884万匹。なお日本の数字は飼育頭数、アメリカの数字は世帯数で、同じ尺度ではない。

費用で選んだ先に、手放しがある

安いほうを選ぶという決め方は、飼い始めたあとも働く。環境省の統計では、2024年度に自治体が引き取った犬猫3万9,409匹のうち、飼い主自身が持ち込んだのは8,684匹(犬2,072匹、猫6,612匹)だった。同年度の殺処分は6,830匹だ。

全米のシェルターの数字を集めるShelter Animals Countも、2025年上半期の報告で、ペットを飼える住宅の不足と、獣医療費が払えないことを課題に挙げた。この半年にシェルターへ入った犬猫は約280万匹だった。

生活が苦しいから猫にする。その隣には、今は飼わない、という選び方も置ける。

ネットの評判

Xでは「Cat Era(猫の時代)」という言い回しが広まった。猫の飼育と猫用フードの売り上げが伸び、犬の需要が落ちているとCNBCが9月24日に報じたことがきっかけだと、ネットメディアのDrezzedが伝えている。猫の情報サイトの読者欄には、子犬を大量に繁殖させる業者(パピーミル)を規制すべきだという声や、段ボール箱で猫が遊べる工夫を紹介する声が並んだ。

グラナダーCEOは、猫の置かれ方についてこうも言っている。「ドッグパークがあり、犬用のビーチがあり、犬を泊められるホテルもある。猫はおおむね置き去りだ。猫に来るのは、アマゾンの配達で余った箱だ」(訳)。逆転の中身は、こうだ。「アメリカが猫に似てきたという話だ。狭い場所に住み、独立を重んじ、放っておかれるのを好む」(訳)。

出典

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