10/6 22:19 更新

これ、一生かけて貯めた
老後の金なんです

――ある高齢の夫婦が、銀行の窓口で

写真はイメージ Photo by Cullen Cedric on Unsplash

10/5 01:56 / 発信国:中国

山東省で黒焦げの20万元、戻ったのは13万1200元 日本の基準は「3分の2」

中国山東省の済南市で、家の配線が古くなって火災が起きた。家に置いてあった20万元あまりの現金が黒く焦げ、高齢の夫婦が、炭のように固まった札を済陽農商銀行の営業部に持ち込んだ。行員は丸一日かけて1枚ずつ手で選り分け、13万1200元を新しい札に引き換えた。9月27日に中国の複数のメディアが伝えた。銀行や夫婦本人の発表は確認できておらず、火災が起きた日も出典では分からなかった。

2026年9月の平均レート(1元=23.3178円)で換算すると、焼けた20万元あまりは470万円ほど、引き換えられた13万1200元は306万円ほどにあたる。夫婦に子どもはなく、この現金は数十年かけて少しずつ貯めた老後の資金だったと現地の報道は伝えている。

計数機が使えず、手袋で1枚ずつ

焦げた札は炭のようになっていて、指でつまむと形が崩れた。札を数える機械には通せない。行員は手袋をはめ、貼り付いた札を引きちぎらないよう、無理に曲げないよう、少しずつ離していった。平らに広げて灰を落とし、風を通して乾かす。そこから1枚ずつ、図柄と偽造防止の仕掛けを見て、使える面積を測った。同じ札を別の行員が見直す手順も踏んでいる。これで丸一日かかった。

夫婦は作業のあと、これは私たちが一生かけて貯めた老後の金で、大火で全部焼けたと思っていた、こんなに換えてもらえるとは思わなかった、と行員に礼を述べたという。

なぜ全額ではなく、13万1200元なのか

13万1200元は、家にあった20万元あまりの約65%にあたる。ただし、焼け残った札の65%が有効だったという意味ではない。現地の報道によれば、火の中から運び出せた現金は一部で、その多くが焦げて互いに貼り付いていた。銀行の窓口に持ち込まれた額は、出典では確かめられなかった。

中国人民銀行の「残缺汚損人民幣兌換弁法」(2026年3月31日施行)は、1枚ごとに残った面積の割合で判断すると定めている。4分の3以上なら全額、2分の1以上4分の3未満なら半額、2分の1未満は引き換えない。偽造防止の重要な特徴が欠けて真札と判別できないものも、引き換えの対象から外れる。行員が1枚ずつ図柄と仕掛けと面積を確かめたのは、この基準に当てはめるためである。

日本では、残った面積が3分の2あるかどうか

家の引き出しや仏壇の下に現金を置いている人にとっては、ここから先が本題だろう。日本銀行も、損傷した銀行券の引換基準を公表している。

面積が3分の2以上残っていれば全額で、1万円券は1万円として引き換わる。5分の2以上3分の2未満なら半額で、1万円券は5千円になる。5分の2未満は「銀行券としての価値は無く失効」する。表と裏の両面があることが条件である。

全額になる線は、中国が4分の3、日本が3分の2。引き換えてもらえる下限は、中国が2分の1、日本が5分の2。並べると、日本のほうが緩い。

燃えて灰になった場合も、日本銀行は、その灰が銀行券であることが確認できれば面積に含むとしている。溶けた硬貨も、模様が識別できるなど一定の条件を満たせば、新しい貨幣に引き換えられる。

持ち込む先は日本銀行の本店または支店で、来店前の予約が必要である。郵送は受け付けていない。日本銀行は、灰などの細かい部分も集め、適当な容器に入れて持ち込むよう求めている。集めなければ、その分は面積に数えられない。

出典
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