10/6 22:19 更新

『2分』と出た表示は、約束ではない

競技規則第7条

写真はイメージ Photo by Fauzan Saari on Unsplash

10/4 14:33 / 発信国:マレーシア(インドネシア)

「残り2分」が「残り7分」に 延びた5分の2点は、追い越すためではなかった

試合終了が近づくと、第4審判が板を掲げる。そこに「2」と出れば、あと2分。たいていの観客はそう読んで、席を立つ準備を始める。2026年10月1日、ジャカルタのゲロラ・ブン・カルノ競技場では、その2が7になった。

FIFA ASEANカップ2026、グループA最終節のインドネシア対バングラデシュ。前半だけで6対1、ミッチェル・ベイカーが1人で4点を決めていた。90分が終わろうとするところで出た「2分」の表示に、インドネシアのジョン・ハードマン監督と選手が強く反応する。表示は、そのあと7分に直った。ハードマン監督は試合後、2分という表示は誤りだったのかと第4審判に確かめ、誤りだという答えを得たと語っている(VnExpress)。

2分のままなら終わっていた時間帯に、インドネシアは2点を加えた。90+6分にケビン・ディクス、90+7分にベイカー。最終的に9対2。マレーシアサッカー協会は、2分を7分に変えた根拠と手続きを説明してほしいとFIFAに申し入れた。結果を取り消せとは言っていない。透明性と一貫性が欲しい、という申し入れである。

板の数字は、締め切りではない

競技規則を開くと、怒りの向かう先が少しずれる。IFABの第7条は、第4審判が示すのは「最低の」追加時間だと書いている。そして追加時間は、主審が増やすことはできるが、減らすことはできない。2が7になる動きは、規則の文面の中にある。板の数字は、締め切りではなく下限の宣言だった。

同じ条文は、時間を足す理由も並べている。交代、負傷の対応、時間稼ぎ、警告、VARの確認、そして得点後の喜び方。この試合では11点が入り、VARの確認も複数回あった。足す理由だけが、試合中ずっと積み上がっていた。

並んだのは5分ではなく、得失点差

では、その5分で何が動いたのか。グループAはインドネシアとマレーシアが勝ち点7で並び、直接対決も0対0。次に見る得失点差も、+9と+9で並んだ。さらに次の総得点が11対9で、インドネシアが首位に立った。

7対2で終わっていたら、インドネシアの得失点差は+7である。同じ日にシンガポールに6対0で勝ったマレーシアは+9。マレーシアが首位で、決勝に行くのはマレーシアだった。つまりあの2点は、追い越すための2点ではない。並ぶための2点である。並んでから、総得点の11がようやく効いた。

延びた5分の最後の1分に入った1点が、ここまでの計算をひっくり返した。インドネシアは10月5日の決勝でタイと、マレーシアは同じ日の3位決定戦でベトナムと戦う。この一件で増えたのは、試合の時間ではなく、FIFAに届いた書類の枚数だ。

出典

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