10/9 17:49 更新

それが何かは知らないが
きっといいものだ

――ある国の大統領が、燃料高の対策を決めて

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10/7 16:39 / 発信国:米国

米国の軽油が最高値、運送16社が倒産 G7の備蓄放出は効いたのか

想像してほしい。ある地方の運送会社で、社長が電卓をたたいている。軽油代が1年で2倍近くになった。荷主に「その分を足してください」と言えば、仕事は別の会社へ回る。隣町の同業者は、先月たたんだ。

日本ではなく、アメリカの話

いまのは、たとえ話だ。舞台はアメリカだ。運送会社16社が2026年8月末から9月初めにかけ、相次いで破産の手続きに入った。自動車メディアのThe Driveが10月5日に報じた。原因は軽油の値段である。

16社の規模はばらばらで、数十台を持つ会社から運転手1人の個人事業まで混じる。4社はテキサス州が本拠だ。小さな事業者は、増えた燃料代を客に回しにくい、とTheStreet.comの共同編集長が話している。

軽油の全米平均は、9月15日に1ガロン6.27ドル近くまで上がり、最高値を付けた。さらに9月22日には6.53ドル。1年前の2025年9月は3.69ドルだった。77%高である。

備蓄は、半年前から出し続けている

なぜ軽油だけが上がるのか。中東の戦争で供給が細り、ウクライナがロシアの製油所をたたいた。そこへ北部の州の冬の暖房需要が重なる。

石油の貯蔵タンクが並ぶ様子
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手を打たなかったわけではない。3月11日、IEAの加盟32か国が、過去最大4億バレルの石油備蓄の協調放出を決めた。日本の分は約8,000万バレル。ホルムズ海峡が事実上ふさがれたときだ。

アメリカは、そのあとも出し続けた。週に900万バレルを超えるペース。5月末には戦略石油備蓄が3億6,500万バレルまで減り、1980年代初頭以来の低さに近づいた。

それでも、9月に最高値が出た。

10月2日、G7はもう一度決めた。4か月で軽油と原油を合わせて1億バレル。最初の20日は軽油を重点的に出す。これで軽油先物の上昇は一服したと伝えられた。

ここが、引っかかる。16社が消えたのは、その決定より前の30日間だ。

ネットの評判

技術者が集まる掲示板Hacker Newsでは、The Driveの記事に174点と187件のコメントが付いた(10月7日時点)。目立つのは冷めた見方だ。16社は、利益の薄い運送業では普通の入れ替わりに見える、という指摘が上位に並ぶ。トラックは道路を傷める分の費用を負担すべきだ、という書き込みもあった。

放出の3日後、大統領は税に手をつけた

10月5日、トランプ大統領が大統領令に署名した。着色軽油を、公道のトラックや乗用車でも使えるようにする内容だ。年末まで、この軽油の税の納付を先送りする。利息も罰金もつかない。数週間後に中間選挙が迫っている。

ネブラスカ州の集会で、トランプ大統領はこう話した。「赤色着色軽油が何なのか私には分からないが、何であれ非常に良いものであるはずだ」

ホワイトハウスの説明資料は、この措置で運送業者が「1回の給油で100ドル以上」浮くとしている。本当にそうなるのか。連邦の燃料税は、普通の軽油が1ガロン24.4セント、着色軽油が0.1セント。差は24.3セントだ。100ドルにするには、1回で400ガロン(約1,500リットル)を超えて入れる計算になる。タンクの容量は、読めた出典では確かめられなかった。

24.3セントは、6.53ドルの4%に届かない。The Driveは、中東情勢が2027年まで続けば、年末商戦の前に大きく下がる見込みは薄いとみる。

4億バレルを出し、さらに1億バレルを約束しても下がらない軽油に、政権が次に打った手は、1ガロン24.3セントの税金を年末まで取らないことだった。

出典

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