10/9 17:49 更新

プログラムの都合上
急遽短縮させていただきます

――ある主催者が、SNSだけで

写真はイメージ Photo by Ambitious Studio* | Rick Barrett on Unsplash

10/7 14:52 / 発信国:日本

1万7800円のパス、推しの出番は2曲 規約には「予告なく変更」

茨城県取手市で10月3日に開かれたモータースポーツイベント「取手GP 2026 Fujishiro Demo Run」に、アイドルグループの私立恵比寿中学が出演した。1万7800円のPADDOCK PASSを買って足を運んだファンの桐山さんによると、夕方のトワイライトステージは当日になって短縮され、実際の出番は17時50分ごろ、2曲だけだった。桐山さんが10月6日にnote(ノート)に公開した記事は、はてなブックマークで126人に登録され、56件のコメントが付いた(10月7日時点)。

パスは4種類あった。チケットぴあの販売ページでは、PADDOCK PASSが1万7800円、REGULAR PASSが5000円、一番高いVIP PASSが3万5000円。桐山さんの記事は、PADDOCK PASSの特典として主催者が出していた告知を引いている。「16:30以降のトワイライト時間帯に藤代駅北口ロータリー内ステージ脇で観覧可能」。1万7800円で買えるのは、ステージの脇という場所だった。

短縮の告知は、SNSだけだった

当日の進行は遅れた。開会式は15時に始まり、獅子舞やダンスチーム、市長らのあいさつのあとに、私立恵比寿中学が「仮契約のシンデレラ」を1曲披露した。トワイライトステージは当初17時30分からの予定だった。主催者はXで「プログラムの都合上急遽短縮させていただきます」と告知した。桐山さんは、会場では短縮の説明がなかったと書いている。

市街地の公道を走るレーシングカー
写真はイメージ Photo by BHARAT VISHAWAKARMA on Unsplash

遅れた理由について、主催者はイベント後に公式サイトで説明した。「必要機材の大幅な会場への到着遅延」により、12時以降18時までのプログラムの変更と進行の不手際が生じたとして、お詫びを出している。同じサイトに、払い戻しの案内は見当たらない。

「予告なく変更」の一文

1万7800円は、どこまで守られるのか。主催者の公式サイトには「公演内容・出演者・スケジュールは予告なく変更となる場合があります。」と書かれている。どの券種の説明にも、出演が何分で何曲か、という記載はない。公式のタイムテーブルにも「17:40 トワイライトイベント」とあるだけだ。

紙のイベントチケット
写真はイメージ Photo by Andy Li on Unsplash

チケットぴあの案内では、出演者の変更や時間の短縮といった内容変更による払い戻しは、「興行主催者が払い戻しの受付を決定した場合に受付いたします」とされている。短縮を決めた主催者が、払い戻すかどうかも決める。

規約が何でも通るわけではない。福井健策弁護士(骨董通り法律事務所 for the Arts)は、返金しないとする規約が「消費者の利益を一方的に害する規定」として無効になりうると書いている。ただし、議論の中心は公演の中止だ。中止ではない短縮は、「予告なく変更」の一文に収まる。

ネットの評判

はてなブックマークのコメントは、運営に厳しいものが多い。あるユーザーは、イベント運営のXで出演者名の表記が間違っていたことを挙げ、「出演者に対するリスペクトが見られない。」(原文ママ)と書いた。2曲で1万7800円は高いとしつつ、1曲で3万円のイベントもあると並べる声もあった。

一方、「コスト問題はあるにせよ地方のよくわからんイベにゲストで出るなんてのはこんなもんだよ」(原文ママ)と、地方ではよくあることだとするコメントもある。主催者が非営利と町おこしを掲げている点を挙げる声もあった。

買う前に確かめられるのは、2つだけだ。注意書きに「予告なく変更」とないか、特典に出演時間や曲数が書かれているか。今回のパスに書かれていたのは、ステージの脇という場所だけだった。

出典

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