10/9 17:49 更新

上限額は20,000円で、
個別の変更等はできません

――JR東日本の案内ページ

写真はイメージ Photo by Markus Winkler on Unsplash

10/7 10:44 / 発信国:日本

Suicaの「2万円の壁」は法律ではなかった 10月20日teppay開始

JR東日本は10月6日、モバイルSuicaアプリの中で使えるコード決済「teppay(テッペイ)」を、10月20日11時から順次始めると発表した。マイナンバーカードで本人確認をすれば、teppayの残高から最大30万円まで支払える。Suicaの電子マネーは、長い間2万円が上限だった。

別のアプリは要らない。モバイルSuicaアプリにteppayのアイコンが増え、そこをタップすると切り替わる。使えるのはJR東日本グループの商業施設とteppay加盟店、「スマートコード」のマークがある全国170万カ所以上だ。残高は家族や友人と受け渡しでき、モバイルSuicaへのチャージや定期券の購入にも使える。ただしteppayの残高と交通系ICの残高は別で、teppayの残高のまま電車やバスに乗ることはできない。

2万円は、法律が決めた金額ではない

では、その2万円は何だったのか。JR東日本は問い合わせページで「SuicaのSF(電子マネー)上限額は20,000円で、個別の変更等はできません」と案内している。理由は、2019年2月14日の東洋経済オンラインの取材に答えた一文にある。「利用実態や、再発行ができない無記名Suicaを紛失した場合のお客様の損失、不正利用やセキュリティの観点から、上限額を2万円としております」。

駅の自動改札機
写真はイメージ Photo by Thiago Yonamine on Unsplash

名前を登録していないSuicaは、落としても再発行ができない。拾った人が使い切れば、その分は戻らない。だから入れられる金額を低くしてある、という説明だ。法律が2万円と決めていたわけではない。同じ記事は、楽天Edyやnanaco、WAONは2万円より多くチャージできるとも書いている。Suicaでの買い物は2004年3月22日に始まったが、2万円が当初からの金額かは、開いた出典では確かめられなかった。少なくとも2019年から動いていない。

30万円は、本人確認とセットの数字

一方、teppayの30万円には制度上の裏づけがある。決済専門メディアのペイメントナビは2026年3月、上限は「前払い式支払い手段の法律に基づき、使い方や本人確認の状況を踏まえて最大30万円となる」と報じた。2023年6月に施行された改正資金決済法は、他人へ移せる前払式支払手段のうち、一部を「高額電子移転可能型前払式支払手段」と呼ぶ。移せる残高が1件10万円を超えるもの、または1か月の総額が30万円を超えるものだ。この手段の発行者は犯罪収益移転防止法の特定事業者となり、アカウントを作るときの本人確認が義務になる。マネーロンダリング対策のための区分だ。

teppayの残高は、家族や友人へ渡せる。つまり「移せる」前払式支払手段にあたる。2万円を超える鍵は新しい技術ではなく、利用者が名前を名乗ることだったと読める。

ネットの評判

JR東日本の発表資料を載せたはてなブックマークのページは、222人がブックマークし、99件のコメントが付いた。多いのは、新しい決済より先に今のSuicaを直してほしいという声だ。「顧客が欲しかったものは、新しい決済サービスじゃなくてSuicaの上限を5万円とかにすることだと思う」「いまさら新参のコード決済が流行るものか」。PayPayやクレジットカードで足りるという指摘も目立つ。

JR東日本の担当者はペイメントナビに「teppayで二階建てのサービスを構築し、Suicaで実現できないUXを体験してもらうようにしました」と話している。1階が2万円のSuica、2階が30万円のteppayだ。ただし日経ビジネスは2025年12月9日、teppayは「つなぎ」で、JR東日本は今後10年以内にSuica本体で「2万円の壁」を突破する計画だと報じた。

出典

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