10/6 22:19 更新

FIAが僕らのアクセルペダルを制御できるとは知らなかった

F1ドライバー オリバー・ベアマン

10/6 14:26 / 発信国:マレーシア

F1、走り出す前に止まる 赤旗の間にFIAが修正ソフトを書き、11チームへ配った

2026年10月4日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われたF1第16戦「バーレーングランプリ・イン・マレーシア」は、スタートする前に止まった。隊列を組んで走るフォーメーションラップの途中で、ポールポジションのマックス・フェルスタッペンが加速できなくなった。続いてルイス・ハミルトンもコース上で停止し、ほかの車も次々と速度を落とした。レースコントロールはスタート手順を中止し、赤旗を出した。

スタートはもともと大雨で遅れていたが、車が止まった原因は雨そのものではない。FIAは声明で「低いエンジン回転数、低グリップの路面、ウェット用のエネルギー管理設定、セパンのセクター構成という前例のない組み合わせが、複数の車で意図しないパワーの喪失を招いた」と説明した。2026年の新しいパワーユニットには、滑りやすい場面で電気の出力を350キロワットから250キロワットに絞る設定がある。この年のウェットレースはこれが初めてで、その設定を実車に積んで走るのも初めてだった。フォーメーションラップの遅い速度ではターボの回転数が落ち、絞られた電気出力と重なって、エンジンが安全装置の状態に入った。FIAのニコラス・トンバジス単座部門責任者は、今季は雨の走行が非常に少なく、このソフトを望むほど広く試せなかったと述べている。テストでもグリッドへ向かう周回でも気づけなかった、というのがFIAの説明である。

1時間足らずで書いて、11チームに配った

赤旗の間にFIAの技術部門がしたことは、問題が出たセクターだけエネルギーの上限を外す更新ソフトを書き、参加する11チーム全部に渡すことだった。各チームが車にそれを入れ、全車に入ったことを確かめてから、レースはようやく始まった。中断は1時間近くに及んだ。ハミルトンは、更新ソフトを待たずに自力で切り抜けている。コース脇に車を寄せていったん止め、もう一度かけ直して走り出した。

ドライバーの評価は厳しい。ランド・ノリスは「ただひどい。分からないけど、電子系のああいうものは一切持つべきでないという証明だ」。オスカー・ピアストリは「バグでF1のレースが遅れるのは見たことがない」。オリバー・ベアマンは「FIAが僕らのアクセルペダルを制御できるとは知らなかった。実際、かなり怖かった」と話した。

レースはフェルスタッペンが勝った。FIAは、チームとパワーユニットのメーカーとともに、この問題を全面的に検証するとしている。世界最速の車が動かなくなったとき、効いた手当ては、更新ソフトを当てることと、電源を切って入れ直すことだった。

出典
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