10/6 22:19 更新

20歳になったら
直るかなって

――あるバレー選手が、10代の自分を振り返って

写真はイメージ Photo by Alejandro Stuardo on Unsplash

10/5 16:24 / 発信国:日本

バレー高橋塁がゲイ公表、翌日に2人目 更衣室の話はまだ出ていない

SVリーグ男子サントリーサンバーズ大阪の高橋塁(26)が9月29日、自身のインスタグラムとXに「ご報告」と題した書面を載せ、ゲイであることを公表した。弟はバレーボール男子日本代表の高橋藍(25)だ。

書面には「僕は幼き頃から、自分自身のある一面について向き合うことを恐れ、悩み、自分自身を否定していました。それは、僕がゲイであり、セクシュアルマイノリティのひとりであるということです」とある。「いいね」は10月3日時点で36万8000、コメントは8600を超えた(FRaU)。

前夜の9月28日深夜、MBSラジオ「髙橋塁のRui’s ROOM」で、高橋は番組の最後の7分を使ってこのことを初めて口にしていた。10代の頃から悩み続けたと語り、「『20歳になったら直るかなって…』思って生きてた」と振り返っている(スポーツ報知)。

弟と話したことが、きっかけだった

書面では、弟の藍と約2年間同じチームで過ごしたことが大きく、「藍と話したことをきっかけに、初めて自分自身を認めることができました」と説明している。10月に始まる新シーズンの前に「自分自身の言葉で伝えておきたい」と考えたと、ライブドアニュースは伝えている。

考えはもっと前からあった。レズビアンを公表した元女子バレー選手の滝沢ななえは9月29日夜、インスタグラムのストーリーズで、藍も同席する場で去年相談を受けたと明かした。「現役のうちに公表したいと思っていますと。塁くんの強い意志を感じました」。

翌30日には、ヴォレアス北海道の荒尾怜音(25)が署名入りの書面をXに投稿した。自分のセクシュアリティは「LGBTQ+から敢えて選ぶとするなら、『Q(クエスチョニング)』に近いと思っています」とし、「高橋塁さんの勇気に背中を押してもらい」と書いた。

更衣室の話は、まだ出ていない

情報サイト「PRIDE JAPAN」は9月29日、「日本で現役の男子プロスポーツ選手がゲイであるとカムアウトしたのはおそらく今回が初めてで、歴史的なことです」と書いた。FRaUでも、小児精神科医の内田舞が同じ見方を述べている。

スポーツ施設の更衣室とベンチ
写真はイメージ Photo by Michelle Myers on Unsplash

スポーツには、競技を男女別や体重別に分ける区分がある。更衣室や入浴施設も男女で分かれている。性的指向とは別の理由で引かれた線だ。

関西大学文学部の井谷聡子准教授はニューズレター『Reed』61号で、直面する問題は「性的指向によるLGBと、性別に違和感がある、あるいは性自認が男女のカテゴリーに収まらないTとで異なります」と書いている。更衣室の苦しさは、「性自認にマッチしない環境」で競技する問題として説明されている。

2人が書いたのは、だれを好きになるかという話と、自分の性別を枠で決めないという話で、どちらの区分で試合に出るかという話ではない。更衣室や入浴施設の扱いに所属チームやSVリーグが触れた報道は、本誌が開いた記事の中にはなかった。

ネットの評判

Xでは「同性愛者」「カミングアウト」という言葉がトレンドに入った。朝日新聞が伝えた反応には「とても勇気をもらった」、ライブドアニュースが伝えた中国からのコメントには「勇敢な人がどんどん増えて、私たちにこの自由と権利を得られるようになることを願っています」とあった。否定的な声は、本誌が開いた報道の中では見つからなかった。高橋は10月1日、反響への感謝を投稿している。

2019年、女子サッカーの下山田志帆は、日本の現役アスリートでセクシュアルマイノリティを公言している選手は「私1人しかいなくて」と語っていた。その数が、2026年9月の2日間で2人増えた。

出典
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