10/6 22:19 更新

【野性の驚異とは?】大人のヒヒを、赤ちゃんが頭の上に持ち上げている

ケニアで撮られた最終候補の1枚

写真はイメージ 撮影 shankar s. from Dubai, united arab emirates/CC BY 2.0(ウィキメディア・コモンズ)

10/5 15:16 / 発信国:英国

112カ国から1万点の野生動物写真 残った56点に、大人を頭上に持ち上げる赤ちゃんヒヒ

野生動物の写真賞なのに、審査の基準が「笑えるかどうか」だけ、という賞がある。ロンドンで表彰式が開かれる「Nikon Comedy Wildlife Awards」だ。2026年の最終候補が10月1日に発表され、112カ国から届いた1万点超の応募のうち、56点が残った。応募が1万点を超えたのは、10年あまりの歴史で初めてだという。

内訳は写真40点、16歳以下の部門3点、ポートフォリオ4点、動画9点。その狭き門を通った作品が、これである。

アンディ・パーキンソン氏がケニアのマラ・ノース保全地域で撮った「Hercules the Baboon」は、オリーブヒヒの赤ちゃんが、大人のヒヒを頭の上に持ち上げているように見える1枚。アンディ・ラウス氏の「Doris with her Hat」は、スリランカの水牛が水草を帽子のようにかぶった姿だ。ラウス氏の説明はこうだ。「この水牛が頭を上げたとき、しゃれたボンネット帽をかぶっているように見えた。それで私たちは彼女をドリスと呼んだ」(訳)

ヤン・ウィットマー氏の「Angry Bird」は、ドイツ・ヘルゴラント島で撮ったキクイタダキ。ヨーロッパでいちばん小さい鳥が、全力で不機嫌そうな顔をしている。ただし、ウィットマー氏本人の言葉は「島でキクイタダキに初めて出会い、一目で恋に落ちた」(訳)。怒っているのは鳥ではなく、たまたまそう写った一瞬のほうだ。写真媒体のCamera Timesも、笑いは動物のものではなく写真のもので、題名が見る側の読み方を決めている、と書いている。

笑いの出口は、保全

なぜ笑いだけを集めるのか。共同創設者のトム・サラム氏は、ユーモアによって人が野生動物に共感し、その共感が行動を変えていく、という考えを示している。2026年の提携先は、野生動物の保護と生息地の保全に取り組むBorn Free Foundation。The Nationalによれば、利益の10%が同団体に渡る。サラム氏は「野生動物保全への関心を高めようという小さな試みから始まったものが、想像よりはるかに大きなものに育った」(訳)とも述べた。

望遠レンズで野生動物を撮る写真家
写真はイメージ Photo by Hampus Andersson on Unsplash

賞の規模も本格的だ。優勝者の発表は12月8日で、グランプリはマサイマラでの1週間のサファリ(2名、ケニアまでの航空券は別)。一般投票の「People’s Choice」は10月2日から2027年3月1日まで受け付け、投票した人の中から抽選で1人に500ポンド(約670ドル)が渡る。12月9〜13日には、ロンドンのGallery@Oxoで無料の展示が開かれる。

ここまで大がかりだと、高い機材で何日も粘った人が勝つ気がしてくる。だが応募は無料で、アマチュアもプロも同じ枠で競う。

最終候補に残った動画9本のうち1本は、インドでモンスーンに降られたディーパク・ジャイブハイエ氏が、カメラを設置する時間がなく、車の窓からスマホで撮った3匹のボンネットモンキーの映像である。

出典

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