10/6 22:19 更新

靴下、ユニクロやめて
コンビニにした

――ある会社員が、ネットに

写真はイメージ Photo by Mockup Graphics on Unsplash

10/4 11:00 / 発信国:日本

「なんでファミマのがこんなに質いいの」 その体感を、公表された数字で検証する

「最近まで下着とか靴下とかユニクロで買っていたのですが、スゲー勢いで劣化するので同じくらいの価格帯でいいものないか…と探してたら、ありました。ファミマPB。なんでファミマのがこんなに質いいの…。」

2026年10月1日の夜、食品メーカー勤務を名乗る人物がXにそう書いた。翌日にはTogetterのまとめが立ち、閲覧数は8万を超えた。並んだのは、ファミリーマートの「コンビニエンスウェア」への称賛だった。靴下、下着、傘、タオルハンカチ。

「体感の一般化」という疑いは、半分当たる

個人の体感を一般化していないか、という指摘は成り立つ。元の投稿には、劣化したユニクロの商品名も、使った年数も、洗い方も書かれていない。

まとめに並んだ賛同も同じだ。「質いいんだよなあいつ」。洗濯してもへたらないという報告もあるが、測った話ではない。筆者が通して読んだ限り、このまとめには、洗い方の違いや当たり外れを疑う声が見当たらなかった。体感を何件積み上げても、体感のままである。

体感ではない数字

洗濯機と洗濯かご
写真はイメージ Photo by PlanetCare on Unsplash

ただ、体感ではない数字も出ている。ファミリーマートが2025年11月に出した告知では、コンビニエンスウェアのソックスシリーズの累計販売数が3,000万足を超えた。看板のラインソックスは390円(税込429円)。ブランド全体の売上は、流通ニュースによれば2025年度に約200億円を突破した。毎年、前年比130%超が続いている。

ただし3,000万足が示すのは、売れていることだけだ。この数字は2021年3月の立ち上げからの累計で、何人が何足買ったのかは公表されていない。靴下はまとめ買いもされる品だ。よく売れている事実から、ユニクロより質が上だという結論は出てこない。

もう一方の数字を置くと、見え方が変わる。ファーストリテイリングの2025年8月期決算では、国内ユニクロ事業の売上収益が1兆260億円だった。200億円との差は50倍以上ある。それでも価格帯は近い。東洋経済によれば、ファミマの機能Tシャツ(税込1,998円)とユニクロのドライEXTシャツの価格差は8円だった。

ここから先は筆者の見方である。コンビニエンスウェアのラインナップは150種類で、下着や靴下に寄っている。ユニクロ側の品数は公表資料では確かめられなかったが、150種類より少ないとは考えにくい。品数の絞られた売り場では、外れを引く機会がそもそも少ない。「ファミマのほうが質がいい」という体感と、「外れに当たらなかった」という体感は、買った側からは区別がつかない。

ネットの評判

まとめでは、靴下やTシャツの質を認める声が大半を占めた。オーストラリアに住む家族が日本に来るたびに買って帰るという報告も並んだ。あるユーザーは、親会社の伊藤忠商事の祖業が繊維であることを挙げた。衣料品で稼ぐより、消費者の高評価を原料の繊維の商いにつなげる狙いではないかと書いた。ただし本人は「繰り返しますが、想像です」と断っている。伊藤忠の沿革では、1858年の麻布の商いが出発点であることが確かめられる。もっとも、それが品質の理由だという説明は、両社とも公表していない。

最初の投稿は、称賛ではなく疑問で終わっていた。なんでこんなに質がいいのか。公表された数字から言えるのは、390円の靴下が3,000万足売れたことと、価格差8円までである。

出典

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