10/6 22:19 更新

SHARPの由来、知ってる?

――とがってるから シャープだと思ってた

写真はイメージ Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

10/4 13:06 / 発信国:日本

「シャープ」は大正の商品名 社名に残り、事業は震災で消えた

筆箱から1本抜いて、軸を見てほしい。たいてい「0.5」と刻んである。シャープペンシルの「シャープ」を、芯が細くてとがっているから付いた名前だと思っている人は多いだろう。

半分は当たっている。ただ、この「シャープ」は、英語から入ってきた普通の言葉ではない。日本筆記具工業会によると、国産の第1号が出たのは大正の初め。考案した早川徳次が付けた商品名は「エバー・レディー・シャープペンシル」で、これが売れた。パイロットはこの名前を「つねに準備されているとがった鉛筆」と訳している。「シャーペン」は、商品名の略の、さらに略である。

海外では通じない。パイロットの解説は和製英語と明記し、英語では「Mechanical Pencil」だとしている。考案そのものは1830年代のアメリカ人の仕事で、アメリカで最初に売られた商品の名は「エバーシャープ」。とがっているのは同じでも、「シャープペンシル」という呼び方だけは日本の中で育った。

その名前は、家電メーカーの社名になった

古い木製ラジオ
写真はイメージ Photo by Maximilian Hofer on Unsplash

商品名を付けた早川徳次は、シャープ株式会社の創業者である。公式サイトは、1915年の「早川式繰出鉛筆」が後のシャープペンシルにあたり、いまの社名の元になったと説明している。「早川電機工業株式会社」から「シャープ株式会社」になったのは1970年。テレビに付いているあのロゴは、筆記具から来ている。

勢いもあった。公式サイトによると、転機は第一次大戦だった。ヨーロッパで物が足りなくなり、横浜の商館から大口の注文が届いたという。1921年には、皇太子の渡欧を祝って14金製のシャープペンシルを献上している。

その鉛筆は、会社に残らなかった

公式ブログに、短い一文がある。「関東大震災により工場が焼失し、シャープペンシルの事業からは撤退することになります」。

シャープペンシルの替え芯のケース
写真はイメージ Photo by Harrison Chang on Unsplash

14金の献上品にまでなった商品を、会社は持たなくなった。年表はそこから別の道へ入る。1925年に国産初の鉱石ラジオ、1953年には国産初のテレビの本格量産。社名として残ったのは、焼けたほうの事業の名前だった。

出典

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