10/10 22:05 更新

怪しい行いを見たら、
スタッフに言ってほしい

――ある子ども向けアニメの公式が、客に

10/10 21:50 / 発信国:日本

プリキュア公式の「法的措置」 文には誰の名前もなかった

2026年10月9日の夜、プリキュアシリーズの公式Xに「ファンの皆様へのお願い」という文が出た。ショーやイベントで、ごく一部の客が迷惑な行いや決まり破りをしていたと分かったという。悪質な行為があれば、ショーやイベント、施設への立ち入りを断る。警察への通報や被害届の提出、刑事告訴や民事の損害賠償請求に進むこともある。そこまで書かれていると報じられたのは、公式サイトに出た文だ。

ただし、誰が何をしたのかは、一行も書かれていない。

公式が書いたのは、行いの種類だけ

公式の文に並ぶのは、行いの種類だ。迷惑行為。イベントの決まりを外れる行為。危険な行為。不審な行為。それが「他のお客様の安心・安全なご参加を妨げる」だけでなく、出演者やスタッフの「業務環境を著しく害する」とも書かれている。行いのしかたによっては、カスタマーハラスメントなどの不正な行為にもなりうる、ともある。

では、何があったのか。公式は書いていない。なぜ今なのかも、書いていない。

8月の案内は、もっとはっきりしていた。撮影タイム以外は、写真も動画も撮らない。撮影タイムでも動画はだめ。ハイタッチ会は撮ってよいが、SNSには上げない。今回の文は、そこから広がって、入り方や席の使い方にまで及ぶ。

法律が変わった8日後

ショッピングモールの催事ステージ
写真はイメージ Photo by Bobbie M on Unsplash

言葉の選び方には、元がありそうだ。カスハラを防ぐ手立てを会社の義務とする決まりが、2026年10月1日に始まった。公式の文が出たのは、その8日後である。

厚生労働省の説明では、カスハラは3つがそろったものを指す。客や取引先など、事業に関わる人の言動であること。社会で許される範囲を超えていること。働く人の就業環境が害されること。公式の文の「業務環境を著しく害する」は、この3つ目に重なる。会社の側は、相談窓口を定めて社員に知らせることなどを求められるようになった。この文は、客より先に、働く人の側に立って書かれていると読める。

ネットの評判

ネットでは、この文を実質ひとりに向けた警告だとする見方が広がった。反応は、投稿を集めたページ(Togetter)にまとめられている。歓迎が多い。「公式さんが動いてくれて嬉しい」「子供達のためにも厳しく頼む」。一方で「これ見てやめるやつは最初からやらない」と、効き目を疑う声もある。永久に出入り禁止にしてほしいという意見もある。大人のファンからは、女児向けの作品であることを先に置くべきだ、という書き込みも出ている。

入場待ちの列を仕切るロープ
写真はイメージ 撮影 Minh Nguyen/CC BY-SA 4.0(ウィキメディア・コモンズ)

ここが、ややこしい。ネットでは、子ども連れだと偽って整理券を何枚も受け取った、整理券のない親子に渡して一緒に入った、親子席の最前列に座った、といった具体的な話が回っている。だが、これはファンの間で共有された話だ。公式が「確認した」と書いた中身ではない。公式が示した相手は、最後まで「ごく一部の方」だけである。

作品の人気は、数字にも出ている。9月18日に公開された映画『映画名探偵プリキュア! 不思議な庭と2人の秘密』は、6日間で約60万6000人が見た。シリーズで最も良い出だしだったという。

公式が客に頼んだことは、2つだ。こうした行いは厳に控えてほしい。危険な行為や迷惑行為、不審な行為を見かけたら、最寄りのイベントスタッフや警備員に知らせてほしい。誰かの名前を探してほしい、とは書かれていない。10月10日の夜までに、実際に法的措置を取ったという続報は出ていない。

出典

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