10/6 22:19 更新

給料の立て替えは、もう
出せないかもしれない

――ドイツの公的機関が、6月に

写真はイメージ Photo by Ricardo Gomez Angel on Unsplash

10/3 11:33 / 発信国:ドイツ

ドイツの百貨店、6年で4度目の破産申請 1万2千人と立替払の行方

駅前に、昔から建っている百貨店があるとする。経営が行き詰まり、倒産の手続きを申し立てた。それから数年おきに、同じ手続きを3度繰り返す。それでもシャッターは下りない。日本にこんな店があれば、見出しは「なぜ潰れないのか」になるだろう。

これはたとえ話で、舞台はドイツ

実際に起きているのはドイツの話である。百貨店チェーンのガレリアが2026年10月2日、デュッセルドルフの区裁判所(Amtsgericht)に破産手続(インゾルヴェンツ)の開始を申し立てた。2020年、2022年、2024年に続く、6年で4度目の申し立てである。対象は83店舗、従業員は約1万2,000人。営業は当面続く。83店舗のうち33店舗は7月から、賃料交渉を含む見直しの対象になっていた。

2024年の手続きのあと、ガレリアは米投資会社NRDCと実業家ベルント・ベーツ氏の投資会社に買収された。2026年6月には在庫を担保に、米ゴードン・ブラザーズから最大1億6,000万ユーロの融資枠を得ている。その4か月後の申し立てだ。売上高は2019年の45億ユーロ(174店舗)から、2025年は20億ユーロに落ちている。

会社は申請の狙いを、「現状を整理し、会社を安定させ、持続的な将来のための条件をつくる」法的な枠組みづくりだと説明した。労組ver.diの連邦商業部門責任者ジルケ・ツィマー氏は、83店舗に残る1万2,000人がまったく先の見えない状態に置かれたと述べた。

4度も申し立てられるのは、破産が終わりではないから

裁判所の建物の外観
写真はイメージ Photo by Michael Hart on Unsplash

ドイツのインゾルヴェンツは、会社をたたんで終わらせる手続きだけを指す言葉ではない。裁判所の関与のもとで計画を立て、債務を整理して事業を続ける道も含む。日本の感覚では、破産より民事再生に近い。だから4度目が成り立つ。

日本にも再建の手続きはある。ただ、続くとは限らない。東京商工リサーチが2025年6月に公表した調査では、2000年4月から2024年12月に民事再生法の適用を申請した8,137社のうち、事業の継続が確認できたのは25.6%、2,088社だった。

過去の手続きで、債権者は10億ユーロ規模の債権を放棄している。独ベルゼン・ツァイトゥングによると、国の経済安定化基金(WSF)は2021年2月以降、計6億8,000万ユーロを承認した。左派党のイネス・シュヴェルトナー党首は「このゲームは終わりにしなければならない」と述べ、所有者ではなく従業員のための保護がまず必要だと求めた。

守る網は、日本だけのものではない

ドイツには破産手当(インゾルヴェンツゲルト)がある。社会法典第3編165条以下に基づき、破産手続の開始といった事由が生じる直前3か月分の未払賃金を、連邦雇用エージェンシーが支払う。支払われるのは手取り額で、失業保険の算定上限までが対象だ。

日本の未払賃金立替払制度も役目は同じだ。賃金の支払の確保等に関する法律に基づき、労働者健康安全機構が支払う。立て替えは未払賃金総額の8割。退職日の年齢に応じて110万円から370万円の限度額があり、賞与は対象外だ。網があるのは日本だけではない、というのが事実である。

ただ、今回問われているのは網の厚さではなく、同じ網を二度使えるかである。前回の手続きを扱ったエッセンの区裁判所では、計画履行監督がまだ解かれていない。連邦雇用エージェンシーの担当者は6月、監督が続く企業には再び破産手当を支払えない可能性が高いと説明していた。1万2,000人が受け取れるかは、まだ分かっていない。

残ったのは、開いたままの83店舗と、まだ解かれていない監督の記録である。

出典

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