10/6 22:19 更新

9つ目のマナーは『思いやりの心で』

2013年策定・皇居周辺歩道利用マナー9カ条

写真はイメージ Photo by Jakob Owens on Unsplash

10/3 11:29 / 発信国:日本

皇居ランのマナーは9カ条ある 9つ目は「思いやりの心で」

千代田区が、皇居の外周に防犯カメラを置くかどうかを検討している。走る人のマナーを確かめるためである。

区は2026年10月1日の区議会で、皇居外周の歩道でランナーと歩行者のトラブルの報告が相次いでいるとして、マナー違反の実態調査を行う方針を示した。読売新聞によると、調査は今年度内にも実施し、結果を踏まえて看板の増設や防犯カメラの設置などを検討する。道幅の狭い場所やカーブを中心に、歩行者への威嚇や接触、逆走がないかを見る。ランナーと歩行者へのヒアリングや、自転車も含めた交通量調査も検討している。歩行者からは「道を譲るよう威嚇された」「横に広がって走る集団にぶつかって転倒した」という苦情が寄せられた。東京新聞によれば、こうした声は10年ほど前から断続的に区へ届いており、2026年8月は5件あった。

先に書いておく。この歩道には13年前から、9カ条のマナーがある。約20か所に掲示してある。それでも、また調査である。

始まりは、未明である

皇居の周りを走る文化は、いつ始まったのか。

1964年11月1日の未明、皇居の外周で「皇居1周マラソン」という大会が開かれた。東京オリンピックが終わった年である。主催したのは銀座のクラブやバーの経営者で、走ったのはそこで働くホステス約40人だった。講談社の現代ビジネスの記事によると、優勝タイムは5キロを23分台。この記事とウィキペディアの「皇居ランニング」の項目が、この大会を出発点に挙げている。朝ではない。未明である。

これが新聞や雑誌で紹介された。読んだのが、皇居のそばの国立国会図書館の男性職員たちである。現代ビジネスによると、彼らは「女性にできて、自分たちにできないはずはない」と考え、昼休みに走り始めた。できたのが「国立国会図書館マラソンクラブ」。合い言葉は「決して他人と競争せず、マイペースで走ろう」だった。

その後、2007年の東京マラソンを機に、2008年頃からランナーが急増した。信号がなく、止まらずに一周できる5キロ。多い日には1万人を超えるとされる場所になった。

9つ目に書かれたこと

2013年、区や都、警察などでつくる委員会が、9カ条をまとめた。順に読んでいく。歩道は歩行者優先。歩道をふさがない。狭いところは一列に。周回は反時計回り。タイムよりゆとり。

5つ目。62年前の合い言葉が、看板の文字になって戻ってきたように見える。

続ける。ながら通行は控える。自転車はすぐに止まれるスピードで。ゴミは必ず持ち帰る。

そして9つ目が、「思いやりの心で」。

8つ書いて、足りなかったのである。

出典

よく読まれている記事

こちらの記事も

← 一覧へ戻る