10/9 17:49 更新

酒どころの『1位』は、
だれが決めているのか

――90を超える産地を採点した、ある旅行サイト

写真はイメージ Photo by Jo Leonhardt on Unsplash

10/8 14:15 / 発信国:スロベニア

ワイン産地の欧州1位はスロベニア イタリアもスペインも下に並んだ

スロベニア北東部のシュタイエルスカが、2027年の「欧州最高のワイン地域」に選ばれた。選んだのは国や国際機関ではなく、European Best Destinationsという旅行情報サイトだ。90を超える産地を7つの項目で比べ、最後に12地域が残った。その1位がシュタイエルスカで、点数は20点満点の19.5点だった。

発表は2026年10月1日。この地域の街マリボルで、サイトの代表マクシミリアン・ルジューン氏が賞を渡した。2位はイタリアのランゲ・ロエーロ・モンフェッラート、3位はスペインのリベイラ・サクラ。ルジューン氏は、今の旅行者が求めるものとして「本物であること、ひときわ美しい景色、何百年ものワインの文化」を挙げた(英文を訳した)。

地域をまとめる団体には、41の市町村が入る。目玉は、マリボルの中心に立つ世界最古のブドウの木だ。中世の終わり、トルコの侵攻にさらされていたころに植えられた。樹齢は400年を超え、今も実をつける。ギネス世界記録にも載っている。プトゥイには1917年の古酒が残っていて、スロベニアに残るものではいちばん古い。スロベニアで初めてのスパークリングワインは、1852年にこの地域のゴルニャ・ラドゴナで生まれた。

これまでは、どこが1位だったのか

過去の受賞地域を探した。ところが、このサイトのワイン地域の順位は2027年版しか見つからない。検索しても、別の年の同じ部門のページは出てこない。過去にどこが選ばれていたのかは、確かめられなかった。

代わりに出てきたのは、別の部門だ。同じサイトの「欧州最高のワインの首都2026」の1位は、マリボル。シュタイエルスカの街である。2位はフランスのボルドー、3位はポルトガルのポルト。同じ年、同じ地域のプトゥイが「文化遺産の町2026」の1位になっている。

ここが、ややこしい。ワインの首都2026は、120を超える産地を26項目で採点したとある。ワイン地域2027の7項目とは、ものさしが別だ。一つのサイトが、部門を変えながら同じ一帯に賞を重ねている。

酒蔵に並ぶ日本酒の瓶
写真はイメージ 撮影 Asturio Cantabrio/CC BY-SA 4.0(ウィキメディア・コモンズ)
酒庫に並ぶワインの瓶
写真はイメージ Photo by Amin Zabardast on Unsplash

シュタイエルスカは、2026年の欧州の観光地を選ぶ投票でも3位に入った。票は10万1907。こちらはサイトに登録した人が入れるネット投票で、採点とは決め方が違う。

日本酒で同じことをやったら

では、日本酒で同じことをやったら、観光のお金は増えるのか。

世界に通じる看板は、日本にもうある。2024年12月5日、「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録された。こうじ菌の働きを使う日本の酒造りで、原型は500年以上前にできたという。日本酒、本格焼酎、泡盛が対象だ。

売れている額も分かっている。日本酒造組合中央会が2026年2月6日に出した集計では、2025年の1月から12月までの輸出額は約459億円。売った先は過去でいちばん多い81か国で、国別の1位は中国の約133億円だった。

一方、観光庁のインバウンド消費動向調査では、2026年4月から6月の3か月で、訪日客が日本で使った金額は2兆5096億円。1人あたり24.4万円である。

日本酒を1年かけて世界に売った約459億円は、訪日客およそ19万人が日本で使う金額にあたる。

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出典

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