10/6 22:19 更新

『ツキのない席』だと
思っていた

――最下位から倍満で逆転した雀士が

写真はイメージ Photo by Jing Bo Wang on Unsplash

10/6 17:44 / 発信国:日本

最下位から倍満で逆転優勝 「麻雀ブーム」と「ボケ防止」を数字で確かめる

10月4日、「麻雀最強戦2026」の「女流プロ下克上合戦」で、宮内こずえが優勝し、ファイナル進出を決めた。決め手は決勝卓の最後の1局。4人のうち最下位から倍満をあがって、順位をひっくり返した。ABEMAで配信され、ABEMA TIMESが翌5日に伝えている。

持ち点は長く動かなかった。4人とも2万点台のまま後半の南場に入り、南2局1本場で高宮まりが跳満をあがって抜け出す。最後の1局に入った時点では、高宮が36,100点で、宮内は17,900点の4位だった。

その南4局4本場。局の途中で暗槓が入り、4索がドラと槓ドラの両方になった。4索を2枚持っていた宮内の手は、それだけで一気に高くなる。14巡目にリーチをかけた時点で、あがれば倍満が確定する形だった。そして17巡目、2筒をツモった。

このあがりは「4,000点・8,000点」のツモ。3人から合わせて1万6,000点が入る、倍満という大きな手である。宮内の持ち点は39,100点となり、首位で終局した。2位は高宮、3位は金宮じゅん、4位は飯嶋ひとみ。

近代麻雀webの観戦記によると、宮内はこの日のB卓で、A卓で敗退した御崎千結が座っていた席に入り、「ツキのない席」だと感じていたという。同じ観戦記は、宮内が2021年の最強戦ファイナルの最終局で瀬戸熊直樹の倍満ツモを浴び、最強位を逃したことにも触れている。5年前に浴びた手で、今度は自分が勝った。宮内は「みなさまの応援パワー、元気玉のおかげです。ファイナルも頑張ります!」とコメントしている。おめでとう、と言いたくなる結末である。

ブームの正体は、打つ人ではなく見る人

対局が配信され、実況の動画が並び、女流プロの名前も通るようになった。麻雀はブームに見える。ただ、打つ人の数字はそれほど動いていない。

積まれた麻雀牌の寄り
写真はイメージ Photo by Jing Bo Wang on Unsplash

麻雀ニュースがレジャー白書2022から紹介した数字では、麻雀の参加人口は2021年が450万人。前年の400万人から50万人増えたが、2014年には870万人いた。同じ年の麻雀ゲーム料の市場規模は350億円で、前年比9.4%増である。打つ場所も減っていて、アミューズメントジャパンは2019年1月の記事で、2017年の雀荘を8,736軒(前年比4.8%減)と伝えた。

増えているのは見る側である。Mリーグ機構が2019年9月に公表した調査では、Mリーグを見たことがある人は全人口の4%の約500万人で、うち約300万人は麻雀を打たない。

ネットの評判

Yahoo!ニュースの配信版には、10月6日時点でコメントが8件付いた。南3局からの進行を麻雀用語で細かく振り返るものと、過去の大会の悔しさを晴らしたと評価するものが多い。実況の言葉選びには違和感を示しつつ、倍満はたたえる声や、別の出場者の起用について公平さを問う声(1件)もあった。

「ボケ防止にいい」は、どこまで確かめられているか

麻雀はボケ防止になる、という言い方をよく聞く。確かめた研究はある。学術誌フロンティアズ・イン・エイジング・ニューロサイエンスに2022年に載った論文は、中国の65歳以上1万1,821人を2008年から2018年まで追った。カードまたは麻雀を「ほぼ毎日」する人が認知症と診断されるリスクは、ほとんどしない人の0.63倍(95%信頼区間0.42〜0.95)だった。

木箱に収まった麻雀牌
写真はイメージ Photo by Sunira Moses on Unsplash

ただし、著者自身が限界を挙げている。結果は中国の高齢者に当てはまるものであること。遊ぶ頻度は本人または近親者の回答であること。ほかの余暇活動の影響を取り除いていないこと。

差がはっきり出たのは「ほぼ毎日」の人だけだった。週1回以上は0.75倍(0.50〜1.16)、月1回以上は0.84倍(0.59〜1.21)で、統計的な差があるとは言えない範囲にとどまる。確かめられているのは毎日打つ中国の高齢者までで、週に1回打つ人の話にはなっていない。

出典

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