10/6 22:19 更新

お宅の娘さん、
二日前に結婚したそうで

――ある取引先の会長が、壇上で

写真はイメージ Photo by Filip Rankovic Grobgaard on Unsplash

10/5 18:14 / 発信国:台湾

NVIDIA創業者の授賞式 サムスンは娘の名を、SKは取引を語った

現地時間の9月28日、ニューヨークで韓米協会(The Korea Society)の2026年年次ガラが開かれ、NVIDIA創業者のジェンスン・フアン(黄仁勲)CEOがヴァン・フリート賞を受けた。この晩、壇上に立ったのは三人。賞を受けたフアンCEO、祝辞を述べたサムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長、乾杯の挨拶をしたSKグループのチェ・テウォン(崔泰源)会長である。そして、フアンCEOの長女が二日前に結婚したと会場に明かしたのは、父ではなくイ会長だった。

祝辞は、娘の名前と折りたたみ端末

イ会長は、約25年前のCESでフアンCEOと初めて会ったと語り、共通点を三つ挙げた。両社がどちらもAIに全てを賭けていること。二人とも「マディソン」という名の娘がいること。二人ともサムスンの折りたたみ端末Galaxy Z Fold8を愛用していること。三つ目で会場に笑いが起きたという。

その流れで、イ会長は、NVIDIAのOmniverse部門でシニアディレクターを務める長女マディソン・フアン氏の近況に触れた。台湾の聯合新聞網によれば、「在兩天前完成終身大事」(二日前に生涯の大事を済ませた)と述べ、出席者に祝福を促した。フアンCEO本人もNVIDIAも正式な発表をしておらず、相手が誰かも、式があったのかどうかも、なぜ本人より先に明かされたのかも、どの出典にも出てこない。

主賓テーブルには「Madison Lee」と「Madison Huang」の席札が並んだ。イ会長の娘イ・ウォンジュ氏の英語名も「マディソン」で、二人は隣り合って座った。イ会長の父、故イ・ゴンヒ氏が同じ賞を受けたのは2006年である。

乾杯の挨拶は、取引の話だった

同じ晩、乾杯の挨拶に立ったチェ会長は、取引そのものを語った。Korea JoongAng Dailyによれば、「NVIDIAがAIの脳を設計し、SKが記憶を担う」と述べた(訳)。朝鮮戦争にかけて、戦場はいまデータセンターで、先頭に立つのは軍服ではなく黒い革のジャケットだと語り、「GPUの需要よりもずっと速く、協業を広げたい」と杯を上げた(訳)。

どちらに軍配が上がるのか

二つの挨拶は、順番が逆に見える。首位の側が取引を語り、追う側が娘の名前と端末を語ったからだ。サムスンはこの日に合わせ、タイムズスクエアにも祝福の映像を出し、フアンCEOを「Pioneer」「Architect」「Builder」「Friend」と呼んだ。

メモリ半導体のモジュール
写真はイメージ Photo by Franck V. on Unsplash

カウンターポイント・リサーチによる2026年4〜6月期のHBM売上シェアは、SKハイニックス50%、サムスン33%、マイクロン18%。首位との差は1四半期で37ポイントから17ポイントに縮まった。サムスンは2026年2月、HBM4を世界で初めて量産出荷したと発表している。一方、NVIDIAの次世代GPU「Vera Rubin」向けHBM4の割り当ては、SKハイニックスが約3分の2と報じられている。

ロジウム・グループのベン・レイノルズ氏は、割り当ての判断がいまもHBMのシェアを決める最大の要因だと述べている(訳)。だから、社交の席でCEO本人との近さを示すことには意味がある。次の分岐は、設計の最初の段階からGPUとHBMを合わせる「co-design」に移る。ガラの前日の報道は、この席でその協議が持たれる見通しだと伝えていた。

いまのところ、量ではSK、フアンCEOとの近さではサムスンだ。どちらも勝ち切っていない。この晩、サムスンは娘の名前を、SKは取引の話を卓に出した。どちらの札が効いたのかを決めるのは、黒い革のジャケットで壇上にいたフアンCEOである。

出典

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