10/6 22:19 更新

広報大使に、
なってもらいます

――ある市が、水路から出られないサメに

写真はイメージ Photo by Margo Evardson on Unsplash

10/5 01:55 / 発信国:韓国

釜山の水路のサメ、救出2度失敗 市は名誉広報大使に委嘱

韓国・釜山市東区の北港親水公園にある人工水路に、9月18日、海からサメが1匹入り込んだ。市民が北港(プカン)にちなんで「부캉이(ブカンイ)」と名付けた。釜山市は9月29日、このサメを市の名誉広報大使に委嘱すると決めた。海へ返す作業は9月29日と10月2日の2回行われ、どちらも失敗している。

60万人が押し寄せ、委嘱に91%が賛成

市によると、9月19日から28日午後6時までに約60万人が北港を訪れた。市が市民の意見を集めたところ、8200人余りが参加し、91%が委嘱に賛成した。

委嘱状は、サメの代わりに釜山市のキャラクター「부기(ブギ)」が受け取ることになった。市長は、ブカンイが市民の関心の中で釜山の新しい物語として定着したとコメントした。市はサメとキャラクターを組み合わせた広報も計画している。

発見から1週間後の9月25日には、個人が「BUKANGI 부캉이」の商標を出願し、キーホルダーや衣類、玩具など40の商品を指定した。商標権は、特許庁の審査と登録を終えて初めて発生する。

環境団体の녹색연합(緑色連合)は、生態教育の機会になるとしつつ、「その経験の終わりが『ブカンイ』という名前と観光商品だけなら、いちばん大事な生命倫理の価値を学べない」と指摘した。

網は水路に残されたまま

1回目の9月29日は、網を使わず船からの放水だけで誘導を試みたが、サメが船の後ろへ回り込むのを繰り返して失敗した。2回目の10月2日は、水路の幅に合わせた長さ50メートル・高さ6.8メートルの網を第4歩道橋の付近に張り、第5歩道橋へゆっくり引いた。しかしサメは出口へ向かわず、網は水路の底に引っかかった。午後5時35分ごろ、出口から約150メートルの地点で作業は打ち切られた。海洋警察と国立水産科学院は、サメの負担が大きいとして追加の放水を見送った。

なぜ出ていかないのか。国立水産科学院の研究員チ・ファンソン氏は、感覚器官の発達したサメが海より狭い水路にいるため、方向の感覚が働きにくくなっているとみる。群山大学名誉教授のチェ・ユン氏は、山に閉じ込められた状態にたとえた。サメは同じ場所を回り続けている。

なぜ来たのか。国立水産科学院は、海水温の上昇で増えた暖流性の魚を探して入り、道に迷ったと判断している。東海岸で大型のサメが捕獲された例は、今年8月までに73件あり、前年同期の2.5倍だった。危険はあるのか。同院はメジロザメ科の「무태상어(ムテサンオ)」と推定し、成長しきった雌とみている。体長は約3メートルから3.5メートルと、報道によって幅がある。人に危害を加えることが知られているサメは、全510種のうち4〜5種だ。

ネットの評判

SNSでは、よく見える時間と場所、駐車場所といった見物のこつが共有され、歓迎する声が目立つ。

一方、夜に懐中電灯や大型のランタンをサメに向ける見物客が問題になっている。SNSには「アクアリウムのサメも夜は休む。良心のない大型ランタン」という投稿が出た。夜の照明は体内のリズムを乱すおそれもある。公園は夜12時から入場が制限され、サメのいる区域は午後6時から一部が統制されている。

翌3日の正午ごろ、サメは網を越えて水路の奥へ戻っていた。当局は網を残し、サメが自分から出ていくのを待って監視を続ける。公園を訪れた人は、3日までに70万人を超えた。名誉広報大使は、今も水路の中にいる。

出典
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